可食でおいしいきのこがいいきのこで、
毒きのこは悪いきのこ、などと思っている人は、
見当違いも甚だしいと存じます。
そう、あえて言うなら、
すべてのきのこがいいきのこなのです。
きのこは別に人間の思惑に合わせて、
生きているというわけではなく、もちろん、
人間のために生きているわけでもありません。
きのこに限らず、自然に生きる生きものはすべて、
人間や他の生物ためではなく、ただ単に、
生きているから、生きているんですね。
でも、結果的には、地球上のあらゆる生きものは、
お互いに何らかの関係性を持っていて、
とてつもない数の生きものが関わり合いながら、
この地球という限られた星で生きているわけです。
ぼくも、地球に生きるひとつの生物として、
できるだけ謙虚に他の生物への尊敬を忘れず、
なるべく静かに生きていきたいと思います。
さて。
傘の裏側がひだではなく、網状の管孔になっている、
「イグチ」の仲間とされるきのこのうち、
(有名なポルチーニ茸もイグチの仲間です!)
阿寒の森でもっとも一般的なのは、
きっとヤマイグチでしょう。
ヤマイグチは、初夏から晩秋にかけて、
主にカンバ類の樹下から発生します。
傘の直径は5〜20cmほど。
まんじゅう形からやがて平らに開きます。
表面は、灰色〜暗褐色で、ビロード状。
湿ったときにやや粘性があります。
傘裏の管孔の網目は小形。
白色から淡灰褐色へ変化していきます。
柄は高さ6〜12cmくらい。
下部がやや膨らみ、
淡灰色の地に黒褐色の小粒点がびっしり。
食。
それほどおいしいきのこではありませんが、
数もたくさんとれるので、
汁物などで食べるにはいいかもしれません。
しかし、いくらたくさん生えているからといって、
必要以上に採取するのはやめましょう。
我々、森を訪れる人間が、
まず意識しなければならないのは、
ローインパクト、です。
自然をあえて撹乱して、
今後の成長の方向性をよりランダム化させる!
みたいな役割を考えられないこともありませんが、
とにかく、ローインパクト、です。
じゃあ森へ行くなよ!
という人とは会話にならないので、
即「ブロック」します(笑)。