ぼくは、基本的に、きのこや粘菌だけではなく、
北海道の阿寒湖周辺や、東北地方の白神山地など、
きのこや粘菌が生きている素晴らしい自然環境も、
一緒に撮影したいと思っています。
きのこや粘菌など「隠花植物」や、森のあれこれを、
知れば知るほど、ますます興味がわいてしまって、
飽きるどころかさらにのめり込んでいる始末。
年々、撮りたい「モデルさん」が増えて困っています。
阿寒湖周辺だけでも森の規模は広大なので、
どれほど、例えば一生かけて撮影したところで、
終わりが見えることはありません……。
6月から10月にかけては、
ほぼ毎日阿寒の森へ入り、大満足なのですが、
そこは北海道、大自然の宝庫ですから、
たまには別の場所へ遠征することもあります。
さて、今回ご紹介する写真を撮影したのは、
阿寒湖から山をひとつ越えた屈斜路湖方面です。
摩周湖の伏流水が水源とされる清流の周囲に、
ミズナラやカシワなどを中心にした、
広葉樹の森が広がっています。
阿寒湖周辺とはまた違う雰囲気で、
これがまたたまりません。
しかし、気がつけば、
目はきのこを探しているわけで……(笑)。
まだ、枯れてない倒木に、白いきのこ発見!
シロハカワラタケです。
シロハカワラタケは、広葉樹の枯木や倒木に、
たくさん重なり合って発生します。
多年生なので、1年中いつでも見ることができます。
傘は扇形〜半円形、幅3〜6cmほどで、極薄。
表面は白〜材白色で、固くて革質です。
細かい密毛があり、絹のような光沢があります。
裏側は管孔状ですが、徐々に深く裂けて、
傘の周縁部意外は歯牙状になります。
食不適。
固くて食べたくなるようなきのこではありません。
シロハカワラタケは、
傘が茶色い、ハカワラタケと、
しばしば同一とされますが、
傘の表面がこれだけ真っ白だと、
「シロ」ハカワラタケ、と呼びたくなります。
ちなみに、
阿寒湖から山を越えた屈斜路湖摩周湖方面も、
「阿寒国立公園」に含まれているのですが、
2017年に「阿寒摩周国立公園」に改名されました。
まあ、当然と言えば当然、という気がします。