「紺屋の白袴(こうやのしろばかま)」
ということわざがありますが、恥ずかしながら、
ぼくは、意味を曲解しておりました。
いつ、どこで、そんな間違い方をしたのか、
まったく定かではないのですが、
ありえないもの、という意味に思い込んでました。
「石に花咲く」とか「西から日が昇る」みたいな。
紺屋は白い袴を紺色に染めるのが仕事。
つまり、仕事をしていれば、程度の大小はあれど、
自分の白い袴にも紺色が付着するはず。
油絵画家とかペンキ屋さんが身につけている、
エプロンのイメージが頭に……。
紺屋が自分の袴を染めずに白袴をはいていることから、
他人のためばかりに忙しく自分のことに手がまわらない、
と、いうのが本来的な意味ですな。
紺色の染色液を扱いながら、
自分のはいている白袴にはしみ一つ付けないという、
職人の意気を表したことば、という説も。
(ぼくの勘違いと正反対の意味だ!)
さて、キツネどんのようにコンコン言ってないで、
ここらでそろそろ本題に入るとしますか(笑)。
ヒメコンイロイッポンシメジは、夏から秋にかけて、
針葉樹林内の落葉の上やコケの間から発生します。
傘は紺色(暗青紫色)で、粘性はなし。
円錐形〜円錐まんじゅう状から平らに開きます。
直径は0.5〜1.3cmほどと、すごく小さなきのこです。
類似種のコンイロイッポンシメジよりも小さいので、
「ヒメ」という名前が付けられたのではないかと。
傘の裏側のヒダは間隔がまばらで、淡紫色〜淡肉色。
柄は中実で傘とほぼ同色。
高さは2〜3cmほどです。
食不適。
さもあらん。
なんせ、小さな小さなきのこです。
阿寒での経験で言うと、
何年かに一度くらいしかお目にかかれない、
けっこう貴重なきのこなんです。
見つけたらぜひぜひ優しく見守りましょう!
ぼくがいつも持ち歩く小さなバッグは藍染の帆布で、
藍色というよりは紺色に近い色味なんです。
1年くらい使うとこすれた部分に色のむらができ、
なんとも言えない風合いになるんです。
まさにヒメコンイロイッポンシメジの色(笑)。