もうね、こういうきのこが見つかるから、
真夏でも森歩きが止められないんですよ!
北海道の夏は涼しい!
と、いつもいつも言いつつ、
やはり、暑いことは暑いんです。
道東に位置する阿寒湖では、
年に3〜5日くらい、最高気温が30度を超えますが、
基本的には湿気がそれほど多くなく、
夜には気温が20度以下になるので、
やはり、過ごしやすさは、内地の比ではありません。
それでも、ぼくはすごく汗っかきなので、
撮影機材を持って、森の中をぐるぐる歩き回ると、
早朝の比較的気温が低いときであっても、
すぐに滝のような汗が滴り落ちてきます。
暑さを忘れるには、かわいいきのこがいちばん!
きのこを発見すれば、火もまた涼し。
苔むした古くて細いトドマツの倒木の上に、
とっておきの清涼剤が鎮座しておりました。
ウマノケタケ、です。
発生しているのは、前年以前に落ちた、
ハリギリの葉のようです。
これでもか!これでもか!
という感じで、小さなきのこが、寄ってたかって、
落葉から養分を吸収しようとしている様子が、
何というか健気に見えます。
先端の1本だけ、明らかに、他のきのこより、
大きな傘、太くて長い柄を持っているのが、
非常に目立ち、印象的です。
このきのこ群の親分かな(笑)。
写真も、この大きなきのこを、
主人公として撮影しました。
ウマノケタケは、夏から秋にかけて、
落葉の上に髪の毛状の黒色菌糸束を絡ませて、
そこからきのこ(子実体)を発生させます。
傘は半球形〜まんじゅう形。
最初は白色で後に黄褐色、周縁部に条線があります。
直径は6〜7mmほどです。
傘裏のヒダは極めて疏で(数は7〜8くらい)、
傘よりもやや薄い色をしています。
柄は糸状で黒く光沢があり、
長さは1〜10cmほど。
この儚さもたまりません。
食不適。
なんせ、思いっきり、小さいもので。
あと、傘は、けっこう硬質なんです。
この倒木の周りに落ちている、
ハリギリの葉を探したら、
ウマノケタケが出てる、出てる。
こういうきのこがいなかったら、
きっと森は落葉だらけになってしまうんだろうなあ。
きのこ、いい仕事してるなあ……。