きのこは、色も、形も、本当に多様で、
見れば見るほど、知れば知るほど、
どんどん興味が募っていきます。
きのこが、なぜ、
あのように多様な色彩を持っているのかは、
実はまだ解明されてないようです。
でも、実は、自然の摂理を考えれば、
もう答えは出ているはずなんです。
「進化の過程でたまたまそんな色になった」
で間違いありません(笑)。
現在目の前に示された「解答」に対して、
いろいろな疑問をいだき、解明していくのは、
まあ、科学の基本中の基本ですが、
生涯初心者を自認する者としては、
上辺や見た目の美しさや可愛さを追求すべく、
相も変わらずのほほんときのこを楽しむ所存です。
きのこにいろいろな形があるのは、
いろいろな胞子の拡散方法があるからですね。
傘の裏側から胞子を散布するきのこ。
傘を溶解させて胞子を真下に垂らすきのこ。
悪臭物質に胞子を混ぜて集まる昆虫に運ばせるきのこ。
内側にある胞子が成熟すると表面が崩壊していくきのこ。
などなど……。
極めて特徴的な形をしておりますが、
今回ご紹介するフクロツチガキの子実体は、
幼菌時には、まんまるなんです。
直径は2〜3cmくらいで、
薄褐色の細毛に覆われています。
で、内側の袋の中の胞子が成熟すると、
外側の厚い外皮に5〜7本くらいの亀裂が入り、
湿気を感じると同時にそれが裂けて、
まるで星のような形にぱかっと開くのです。
内側の袋の頭頂部は繊維質で円錐形。
真ん中には穴が空いていて、
降雨、虫や動物の接触などによる刺激によって、
ブハッと胞子を放出するんです。
ちなみに、似たような形をしているツチグリは、
外側の星形の外皮が、湿気の多少によって、
その都度、閉じたり開いたりするのですが、
フクロツチガキは一度開いてしまったら、
あとはずっと開きっぱなしのようです。
食不適。
幼菌のときは土に埋まっているはずなので、
探すのはけっこう難しいだろうし、
成熟した袋の中は胞子たっぷりなので、
とても粉っぽくてダメでしょう。
外皮もおいしくなさそう……。
ツチグリとツチガキは、
名前も形も似ているのですが、
上級者のきのこファンでも、
その分類に関してはイライラするはず(笑)。
気になる方はこちらをご参照あれ。