春の桜に匹敵する四季の国民的大関心事が、
秋の紅葉ではないかと。
北海道に来て初めて知ったのが、
観楓会(かんぷうかい)というイベントです。
紅葉を見に行くことを、一般的には、
紅葉狩り、なんて言いますが、
北海道では、何と言っても、観楓会です。
北海道では、道南地方を除けば、
桜の中の桜・ソメイヨシノはそれほど多くなく、
花と葉が同時に出るヤマザクラ系が多いので、
美しくも儚い桜の花を愛でる、という気持ちが、
なんとなく希薄なんですよね。
桜の花の見頃もゴールデンウィークくらいなので、
まとまったお休みにみんな出かけてしまって、
会社部署単位や友人単位で集まるのに難があります。
それに夜はまだまだ冷え込みますし。
一方、観楓会は、どこぞの温泉に出かけて、
泊りがけで行われることが多いんです。
紅葉の見頃が過ぎてしまおうが、
寒かろうが、雨が降ろうが、とにかく、
秋にどこぞの温泉にみんなで出かけて、
泊りがけで宴会をやるというのが観楓会の真髄です。
阿寒湖周辺には、観楓会の準主役たる(笑)、
赤や黄色や色とりどりに紅葉する広葉樹も多く、
そりゃあステキな秋を堪能することができます。
しかし、きのこファンとしては、
紅葉を愛でつつも、視界のどこかで、
ついついきのこを探してしまうわけです……。
川のほとりの倒木に大きなきのこを発見!
広葉樹の樹幹や倒木から発生する、
コフキサルノコシカケです。
傘は半円形や馬蹄形、
表面は殻皮で覆われ灰褐色〜灰白色。
ココア状の粉(胞子)をまとっていることが多く、
それが名前の由来となっています。
肉はチョコレート色で、硬いフェルト質。
傘の裏側の管孔は黄白色で、こすると暗褐色に。
多年生なので、年々、徐々に、
大きく成長していきます。
最近の研究では、
日本でコフキサルノコシカケと呼ばれているきのこは、
多数の類似種が混同されている可能性があるとか。
まあ、仕方ありませんな。
食不適。
さもあらん。
あまりにも硬すぎて、
食べる気にはなれないと存じます。
この時期に撮影した写真をチェックしたところ、
阿寒の紅葉の最盛期(独断)は、
年によって半月以上も違っています。
ここ数年は、地球温暖化もあってか、
遅くなる傾向があるようです……。