森歩きの何が楽しいかって、
それは「発見」ではないかと。
例えば、倒木は、
樹木の死骸で邪魔だと思われがちですが、
表面に付着したコケやシダや地衣類をはじめ、
我がきのこや、昆虫や、粘菌などなど、
多種多様の生物が命を預けています。
森で、やや古い倒木があったとしたら、
ほぼ100%きのこが発生すると言っても、
過言ではありません。
倒木は腐生菌の大好物。
含まれている難分解性の物質を、
分解してい無機物に戻すことができるのは、
きのこなど菌類だけなんですよね。
皆さま、森へ行ったら、ぜひぜひ、
倒木をじっくりじっくり観察してみてください。
そこで繰り広げられている生の世界に、
きっと新鮮な驚きを感じること間違いなし、です。
さて。
ウスヒラタケは、初夏から晩秋にかけて、
広葉樹の倒木、あるいは、枯れ木から発生します。
白~淡黄色の傘は、
直径2~8cmくらい、厚さは1~3mm。
ヒダはけっこう密集していて、
最初白く、後に、黄色〜クリーム色。
柄の長さは、0.5〜1.5cmほどですが、
まったくついてない場合も多々あります。
ヒラタケによく似ているのですが、
ヒラタケよりも暖かい季節に発生すること、
傘の色が淡いこと(ヒラタケは灰色~褐色)、
そして、小さく薄いことで区別することができます。
食。
香りがよく、味に癖がなく、肉質は柔らかく、
歯切れがよく、味をよく吸う、と、
例の『山溪カラー名鑑 増補改訂新版 日本のきのこ』
の解説子も絶賛しております。
阿寒湖周辺ではすごい群生を見かけたことがないので、
倒木にびっしり重なりあって生えている、
ウスヒラタケを見つけたときの喜びを、
ぼくも、いつしか味わいたいと思います。
森歩きはやめられません。