いわゆるきのこファンという方々は、
きのこという生きものが好きなわけですが、
食べものとしても好きだという方がほとんどです。
人には教えたくない自分だけのフィールドに出かけ、
季節ごとに生え変わるきのこを愛でつつ、
めぼしいものを採取して、帰宅後にいただく、と。
一石二鳥、趣味と実益です。
ちなみに、ぼくは、きのこを、鑑賞・観察したり、
撮影したりすることは大好きなのですが、
食べることに関してはそれほど執着していません。
それほど、というのは、もちろん、
きのこを採取して食べることもあるわけで、
食べごろ、かつ、虫食いなどがない、
マツタケやポルチーニ茸ことヤマドリタケは、
撮影したあと、持ち帰ります。
その2種に限るならば、食べたいがゆえに、
探しに行くことすらあります、はい。
だって、おいしいんだもの。
今回ご紹介するハナホウキタケなど、
ホウキタケの仲間に関しては、
おいしいものがある一方、毒を持つものもあり、
なおかつ、けっこう似通った感じの外観だったりして、
初心者にはなかなか厄介なきのこだと言えます。
ハナホウキタケは、秋に、
広葉樹林の地面から発生します。
サンゴのような形状ですが、根本は小さく、
赤系統のとても美しい色をしています。
(枝の先は黄色を帯びています)
肉は白く、傷をつけると赤褐色に変色。
高さは10cm以上にもなります。
図鑑を調べてみると、
同じ赤系統の色でも濃淡があったり、
黄色味を帯びていたり、白い部分が目立ったり、
あるいは、
肉質がゼラチン質だったり、異なる香りがしたり、
針葉樹林の地面から生えていたりと、
ハナホウキタケなのか、別種なのか、
一概には判断できないようなものも多々あります。
正確な情報が手に入らない場合には、
見つけても、ハナホウキタケだと決めつけずに、
ハナホウキタケの仲間、と言っておくのがいいかも。
毒。
毒成分は不明なものの、誤食すると、人によっては、
軽い胃腸系の中毒をおこすことがあるようです。
赤いホウキタケを食べている地方もあるようですが、
基本的には、食べないほうがよいかと。
サンゴのように美しいきのこなので、
見つけたら、きっと嬉しくなるはず。
見て、撮って、楽しみましょう。
100人のきのこ好きがいれば、
100通りのきのこの楽しみ方があるわけですが、
食べるときには、くれぐれも、お気をつけのほどを。
知らないきのこは絶対に食べちゃダメです。