ぼくは、2011年の春から、
「きのこ写真家」「きのこカメラマン」
あるいは、
「きのこ粘菌写真家」
などと名乗ったりしています。
きっかけは、もちろん、
この、ほぼ日刊イトイ新聞「きのこの話。」。
連載を始めるにあたり、肩書はどうしましょう?
と、担当者から聞かれたので、
「きのこ写真家」とでもしておいてください、
と、あまり深く考えずに答えたのでした。
何だかんだ言って、
きのこや粘菌の写真を撮ったりすることが、
職業として、今の今まで続いているのですから、
いやはや、我ながら大したものです……。
きのこを可愛く撮るコツは?
と、たまに聞かれたりするのですが、
もちろん、ひと言では説明できません。
撮影機材や、テクニック云々よりも、
きのことの向き合い方が大切なのではないかと。
きのこと同じ視線になる。
きのこの気持ちになってみる。
これ、なかなかいいヒントだと思うのです。
きのこの写真を撮りたいという方は、
ぜひ実践してみてください。
森での、きのこ撮影の基本スタイルは、
腹ばい、ですから!
さて、今回ご紹介するウラグロニガイグチも、
もちろん、腹ばいになって撮影しました。
昨今では、カメラの裏側の液晶画面の角度が変えられるので、
腹ばいにならずとも構図の確認はできますが、
腹ばいになると、土の匂いも感じることができます。
これ、大切です、はい。
ウラグロニガイグチは、夏から秋にかけて、
ミズナラなどが生えている林地から発生します。
傘は、直径5〜9cmほど。
はじめ半球形で、のちに平らに開きます。
表面は焦茶色〜暗赤褐色。
湿ったときには粘性を帯びます。
傘裏は、イグチの仲間なので、ヒダではなく管孔。
超細い筒がぎゅぎゅっと束ねられているイメージかな。
黒褐色〜帯紫褐色です。
柄は。長さ6〜9cmほどで、ずんぐり。
紫を帯びた灰色。
毒。
可食と書いてある図鑑が多いのですが、
毒の成分は不明ながら、体質によっては、
胃痛、腹痛、嘔吐などなど、
強度の胃腸系の中毒を引き起こすことが判明。
食べるべききのこではありません。
しかし、まあ、森で、
きのこの気持ちになったとしたら、
きのこを食べることは共食いになってしまうわけで、
きのこは食べものだという認識が、
ちょっと変わるかもしれませんね。