さあ、阿寒の森へ、ご一緒しましょう。
季節は、1年でもっとも暑い、8月。
しかし、まあ、そこは、北海道の阿寒。
最高気温が30度を超えることもありますが、
過ごしやすさは、内地の比ではありません。
森へと入れば、更に快適です。
阿寒湖から車でおよそ20分。
雌阿寒岳の山麓、オンネトー湖の近くへ移動します。
ヤブカ、ヌカカなど、吸血昆虫の猛襲を避けるために、
ちょっと暑いのですが、上下レインウエアが理想です。
(なるべく肌を露出させないことが重要!)
なんせ、原生林、ですから。
それほど歩くわけではないので、
荷物は、写真撮影用のカメラやスマホ、
500ml程度のペットボトル飲物1本くらいでOK。
このアカエゾマツの森は下草があまり生えてないので、
遊歩道が整備されてなくてもけっこう歩きやすいのです。
倒木やエゾシカの糞に注意しましょう。
木と木が重なって、どこまでも木が続いています。
たくさん生えている赤っぽい木肌のマツはアカエゾマツ、
ところどころで見られる白っぽい木肌のマツはトドマツ。
ちょっと鼻腔をくすぐる土臭いような湿ったような香り。
通奏低音的な昆虫の羽音、キツツキが木を突く音……。
五感を駆使して森を歩きましょう。
ああ、森はいいなあ!
と、思うと、
耳のそばをかすめるかん高い蚊の羽音に、
顔の汗を狙って突っ込んでくる小さな蠅……。
ああ、うっとおしい!
大きな石や岩が重なり合って、
その上を何種類ものコケや地衣類が覆っている、
まるで日本庭園のような場所を発見。
そして、そこそこ大きなきのこも発見!
クサハツです。
クサハツは、夏から秋にかけて、
針葉樹と広葉樹が混じった森の地面から発生します。
傘は、直径7〜15cmほどで、はじめは球形、
やがて平らに開き、中央部がややくぼみます。
表面は、湿時に粘性が強く、黄褐色〜褐色で、
周縁部に粒状の線が見られます。
傘裏のヒダは、密で、淡黄色〜汚黄色。
ヒダとヒダが交叉していたり、
小ヒダが混在していたりします。
柄は高さ5〜10cmほど。
白く、同幅で、ほぼ中空です。
クサハツは「臭いハツ」という意味で、
古い油のような深いな香りがします。
毒。
誤食すると、嘔吐、腹痛、下痢など、
胃腸系の中毒を起こします。
クサハツをじっくり鑑賞したら、
岩や石の間に手を入れてみましょう。
ね、風穴になっていて、すごく涼しいんです。
ああ、やっぱり、森はいいなあ。