ひと口に「阿寒の森」と言っても、
そりゃあ、広いんです。
日本百名山のひとつにして、
道東を代表する名峰・雌阿寒岳の頂上から、
阿寒湖方面を見下ろすとよくわかります。
足元から下へ下へと向かって、
いかにも活火山という砂礫が広がり、
大きなくぼみから、時折白い噴煙がもくもく……。
そのずっと向こう、正面に見える湖が阿寒湖です。
上からだと、大小4つの島を確認できます。
(阿寒湖の右奥の大きな山が雄阿寒岳)
頂上から見ると手前側、
阿寒湖の南岸には温泉街があるので、
白い建物が点在しているほかは、
人工物がまったく確認できないほどの、
緑、緑、緑の森、まさに樹海が広がっています。
ため息が出るほどの、素晴らしさ!
体力に自信がある方にはぜひ登山をオススメします。
オンネトー(湖)の入口にある雌阿寒温泉から、
3時間くらいで登頂できる初心者向けの山です。
雌阿寒岳の麓にはアカエゾマツの純林、
つまり、アカエゾマツばかり生えている森が広がり、
離れていくにつれてトドマツの割合が増えていきます。
夏から秋にかけて、
そんなトドマツが多く見られる森を歩いていると、
必ず、と言っていいほど見つかるきのこが、
ドクベニタケです。
緑の森、緑のコケに、真っ赤なきのこの組み合わせは、
いつ、どんなときに見ても、テンションが上がります。
傘の直径は、2〜11cmほど。
まんじゅう形からやがて平らに開き、
最後には真ん中がややくぼむ形に。
表面は鮮やかな赤で、徐々に退色します。
色素が水溶性なのか、雨に濡れると白っぽくなります。
この赤い表皮が剥がれやすいのも特徴のひとつです。
ヒダは、やや間隔が広く、白。
柄は、白く、高さ2〜6cmほどで、
同幅、あるいは、下側がやや太まっています。
名前のとおり、毒きのこです!
誤食すると、腹痛や下痢など胃腸系の中毒、
また、発汗、呼吸困難などの症状が出ることも。
似たような赤いきのこはけっこう多いのですが、
いずれも食べるのはやめましょう。
かわいいきのこがいるのはもちろん、
原生林と、活火山と、あのマリモが生きている湖……。
読者の皆さまも、できるなら、ぜひ、足を運んで、
阿寒の自然を、とことんご堪能あれ。
(温泉も最高です!)