不正解、食べられません!
ツガサルノコシカケ食不適

今回ご紹介する写真のような倒木に遭遇すると、
ぼくは、そりゃあ、テンションが上がるんです。
いかにも大自然の森、という感じでしょ。
もう、たまりません!

大都市の公園や庭園にも、
そこそこ太くて大きい樹木は生えていますが、
太くて大きな倒木はほとんど見当たりません。

なぜか? すぐに片付けられてしまうから。
片付けられる理由はさまざまですけど、
基本的には、ほとんど人間の役に立たないから。

もし、ぼくが、公園や庭園の管理責任者だったら、
そこは倒木だらけになってしまうこと間違いなし(笑)。
だって、倒木は、森の宝物だもの。

それはそうと、写真右側に写っている、
倒木の見事さときたら、もう……。
樹齢3〜4百年くらいのトドマツです。
樹皮に付いたコケやきのこや地衣類も実にいいですね。

正面の、きのこがいるところが、もとに生えていた場所。
真冬に発達した低気圧がもたらす暴風によって、
めりめりめり、と剥がされ、倒されちゃったんです。

はあ……。
いつまでも見ていられます……。

さてさて。
ツガサルノコシカケは、
針葉樹、広葉樹を問わず多くの樹種から発生します。
生きた木から発生すれば、木を腐らせる寄生菌、
枯木や倒木から発生すれば、木材腐朽菌ということに。
つまり、まあ、雑食ですな。

発生時の幼菌は、白くてまん丸ですが、
やがて半円形になり、上下に厚みが増していきます。

傘の表面は、赤褐色から徐々に黒へと変色。
成長しても周縁部には赤褐色が残ります。

きのこには珍しく多年生で、
年々、大きく成長していきます。
傘の直径は、大きなものだと、
直径50cm、厚みが20cmにもなるとか。

下面は帯黄白色で、よくよく見ると、
小さな孔がたくさん空いているのがわかるかと。

ツガサルノコシカケに寄生された樹木の心材部は、
特徴的な、褐色ブロック状になります。

食不適。
まあ、かっちかちですから、
堅くて食べられたものではありません、はい。

ちなみに、
写真右の太い部分の真ん中がひび割れているのは、
真冬の強烈な寒さが引き起こす「凍裂」です。
木の中の水分が凍って膨張して木を押し割っちゃうのさ!

とにかく、自然はすごいなあ……。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。