いま、きのこの分類は、いわゆる見た目ではなく、
DNAの塩基情報を使った分子系統学的方法が主流で、
十年前、いや、数年前とも、大きく異なっています。
見た目はまったく違うのに同じ仲間だったとか、
あるいは、その逆で、
見た目はそっくりなのにまったく違う仲間だとか、
今まで1種だと考えられていたきのこが、
数種に分かれることがわかったとか……。
とにかく、毎日が革命、というレベルで、
個々のきのこデータが上書きされているわけで、
次から次へと更新される最新情報のうねりに、
我が脳みその処理能力はなかなか追いつきません。
ま、分類方面にはあまり深入りせず、
単純に、かわいらしさとか美しさを求めて、
(ごくごくたまにおいしさも求めて)
きのこと相対するのみです、はい。
さて。
森で、地面を覆うコケの間から、
傘の真ん中がぴょん、と伸びている、
とても可愛らしいきのこを見つけました。
アカイボガサタケです。
ところが、これ、迷うんですよ。
ちょっとこちらをご覧あれ。
上のリンクのきのこは、キイボガサタケ。
そっくりですけど、色が違うんです。
この2種のきのこ、
けっこう似たような場所から発生するんですよね。
で、黄色みを帯びた赤と、赤みを帯びた黄色の、
境界は限りなく近いわけで……(笑)。
アカイボガサタケは、夏から秋にかけて、
各種森の地上から発生します。
傘は全体的に朱赤色〜濃い肉色で、経は1〜6cmほど。
円錐形〜円錐状の釣鐘形で、中央に突起があります。
(傘は平らにはるほどには開きません)
傘裏のヒダは肉色で、やや間隔が広くなっています。
柄は高さ3〜10cmくらい。
表面は繊維質でしばしばねじれ、中空です。
毒。
実は、毒成分は分かってないのですが、
誤食すると胃腸系の中毒を起こす可能性があるとか。
君子危うきに近寄らず。
どうぞ、ご用心のほどを。
イボガサタケの一派には、
赤、白、黄色と3色あるのですが、
いつか、この3色が並んで生えているのを、
見ることができたら最高だなあ……。