阿寒の森を代表する樹木と言ったら、
いの一番に思い浮かぶのは、やはり、
トドマツ、そして、アカエゾマツでしょうか。
幹が白っぽいマツが、トドマツ。
幹が赤っぽくて不規則な鱗片状なのが、アカエゾマツ。
同じ「マツ」という名前ですが見た目は全然違います。
分類で言うと、
トドマツは、マツ科モミ属。
アカエゾマツは、マツ科トウヒ属。
これまた、ちょっぴり?違います。
また、枝ごと葉っぱを握ってみると、
トドマツは柔らかい感じがして、
アカエゾマツはちくちく痛みを感じます。
葉っぱをちぎって匂いを嗅いでみると、
2つの樹種では、まったくの別モノ。
トドマツはいかにも森林、という爽やかな香り。
アカエゾマツは山椒を思わせるスパイシーな香り。
さらに、アカエゾマツの幼木は、柑橘系の香りが!
森を歩き始めてすぐに、
マツの葉っぱをちぎって手のひらで握り、
思い出したら匂いをかぐ……。
病みつきになっちゃうこと間違いなし!
もはやアロマテラピー。
たまりません。
さて。
太くて大きなトドマツの根本に、クリタケ発見。
地面ではなく、どうも、樹木から直接発生しています。
しかも、生きた木から……。
クリタケは、本来、広葉樹から発生するのですが、
木を間違えちゃったのでしょうか(笑)?
針葉樹から出るクリタケそっくりなきのこで、
アシボソクリタケってのがいるんですけど、
それとは明らかに違います……。
まあ、たまに、こういうことってあるんですよね。
(もしかしたら新種だったりして……)
クリタケは、秋に、広葉樹の、
不朽木や倒木、土に埋まった材から発生します。
傘は、半球形〜まんじゅう形、のちに平らに開きます。
明るい茶褐色〜暗煉瓦色で、周縁部の色は淡く、
表面に粘性はほとんどありません。
傘の直径は3〜10cmくらい。
傘裏のヒダの間隔は密で、
黄白色からやがて暗褐色に変色します。
柄は高さ5〜12cmほど。
上部は白〜黄白色、下部は錆褐色です。
食。
癖の無い風味で、歯切れがよく、いい出汁が出ます。
基本的にたくさん採れるので、鍋物にいいかも。
そう言えば、以前、
主に広葉樹から生えるヌメリスギタケモドキが、
トドマツから生えていたのを見たことがあります。
もしかして、トドマツは、
広葉樹に似た「味」がするのかも。
それで、きのこが間違えて食べちゃうの……。