キクラゲは、漢字で書くと、木耳。
木に生える人の耳のようなきのこ、という意味です。
キクラゲ、という言葉の読み方から、
木に生えるクラゲのようなきのこ、と理解しても、
間違いではないようです。
キクラゲは、中華料理では一般的な食材ですが、
けっこう少なくない方が、きのこだとは認識せず、
本物のクラゲだと思っているようです。
(単なるぼくの実感ですが……)
さて。
キクラゲの仲間は、かつて、
真菌門担子菌亜門異型担子菌綱、
に分類されていましたが、現在では、
担子菌門ハラタケ亜門の、
シロキクラゲ綱シロキクラゲ目、
ハラタケ綱キクラゲ目、
アカキクラゲ綱アカキクラゲ目
(山と溪谷社『増補改訂新版 日本のきのこ』より)
に変更されています。
ちなみに、ヒメキクラゲは、
ハラタケ綱キクラゲ目ヒメキクラゲ科です。
ヒメキクラゲは、春から秋まで、
広葉樹の枯枝から発生します。
たくさん発生した小さな球状のきのこが、
互いに融合を繰り返すことで、結局、不定形な形に。
キクラゲの仲間の他のきのこと同様にゼラチン質で、
乾くとかちかちの膠状に変質します。
不規則に波打った表面は、灰褐色〜黒色で、
乾燥すると紫色っぽくなります。
細かいイボのようなものに覆われることもしばしばです。
食。
山と溪谷社『増補改訂新版 日本のきのこ』によれば、
やわらかく、舌ざわりがよいので、
さっと湯がいてコーヒーゼリーに入れて楽しめる、
とのこと。
天然きのこ料理のフルコースがあるなら、
デザートを担ってくれるきのこだと言えましょう。
ヒメキクラゲって、フィールドでは、
枝の上で腐ったきのこという感じに見えるんです。
雨に濡れてでろでろに溶けたきのこかと思いきや、
ぷるぷるのヒメキクラゲだった、
という経験が1度ならずあります。
まだまだ修行が足りません、はい。