阿寒湖周辺の森は、
針葉樹の比率ががやや多いものの、
基本的には針葉樹と広葉樹が入り混じった、
針広混交林が多くを占めるので、
決して常緑というわけではなく、
季節によってがらっと雰囲気が変わります。
雨が多く、気温が比較的低く推移している年なら、
木々の葉は7月に入っても新緑を思わせる鮮やかさ。
針葉樹だって、日々成長しているので、
新しく、若い葉が、輝くようです。
夏の暑さがいくら厳しくても、
お盆を過ぎる頃には朝夕の温度がぐっと下がり、
ふと気がつけば、ナナカマドが赤く色づいています。
緑、緑の中に、ほんのりと赤い葉が交じる様子は、
美しいの何の……。
そして、きのこファンなら、もちろん、
発生するきのこによって、四季を感じるわけです。
きのこは、俳句では秋の季語だし、
秋の風物詩のようなイメージがあるかもしれませんが、
1年を通じて見ることができます。
さて。
なんとなく、木々の葉の緑が、
赤やら黄色やらに色づきはじめたなあ、と思うと、
地面にアシボソノボリリュウタケが目に入ったりして、
そうなると、逆に、もう夏の終わりだなあ、と、
感慨を新たにするわけです。
アシボソノボリリュウタケは、夏から秋にかけて、
主に広葉樹が生えている森の地面から発生します。
きのこは、頭部と柄に分かれています。
頭部(子嚢盤)は、鞍のような形をしており、
淡黄褐色で、2〜4cmくらいの大きさ。
柄の上部を両側から包みこんでいます。
柄は、高さ4〜8cmほどで、同幅。
頭部とほぼ同じ色をしています。
食毒不明。
今後の研究によって、
いろいろ解明されるのを待ちましょう。
とはいえ、
別に食べられないからといって、
きのこの価値が変わるものではありません。
なかなかユニークな形をしているきのこなので、
もし、森で見つけたら、
ここぞとばかりに、じっくり鑑賞しましょう!
きのこファンは、きっと誰しも、
自分だけの「きのこ歳時記」を持っています。
経験と年を重ねるごとに、
きっとどんどん充実していくのではないかと。
ちなみに、ぼくの「きのこ歳時記」は、
まだまだ、すっからかんのかん、です……。