たまに「きのこの話。」に掲載するきのこは、
どんな基準で選んでいるのか、と、
ご質問いただくことがあります。
答えは、たったひと言。
気まぐれ、です(笑)。
真夏に冬のきのこをセレクトすることがあれば、
真冬に真夏のきのこをセレクトすることもあります。
食べられるとか、毒とか、色や、形も、一切考慮せず。
原稿も、締切当日に書くことが多いのですが(汗)、
季節や時事の話もあまりするでもなく、
ただひたすら、森ときのこに想いを馳せるわけで。
ただし、冬の思いっきり寒い時期とか、
新型コロナウイルスがらみで(あ、時事ネタだ!)、
あんまり外出が推奨されないようなときには、
読者の皆さんにとって、森の緑が、
多少の慰め程度にはなるかなあ、などと愚考しつつ、
阿寒の雄大な自然を眺められるような写真を、
セレクトする場合もなくはありません。
さて。
昨今は、地球温暖化に加えて、
ヒートアイランド現象などの影響もあってか、
内地の夏は、毎年、記録的な暑さを迎えています。
気温40度って、ねえ、あなた……。
で、今回は、
夏の盛りは過ぎたものの、
まだまだ暑さにあえぐ内地の方々に、
きのこ的涼をお送りしたいと存じます。
(実は、阿寒湖も、けっこう暑い!)
きのこは、あの、有名な、キクラゲです。
3月に群馬県で撮影したのですが、
前日に雪が降って、きのこも凍えていました。
キクラゲは、春の終わりから秋まで、
さまざまな広葉樹の枯れた幹や枝から発生します。
傘は、耳形で、経3〜12cmほど。
暑さ、もとい、厚さは、2〜5mmくらい。
ゼラチン質で、触るとぷるぷるしていますが、
乾燥すると革や軟骨のようにカチカチに固くなります。
(降雨などで水分が回復すると元に戻ります)
幹や枝には、きのこの背面で着生しますが、
褐色〜淡褐色で非常に細かい毛で覆われています。
外側は、なめらかでやや光沢があり、
背面と同じか、やや淡い褐色〜淡褐色です。
食。
中華料理などでもおなじみですね。
また、最近では、人工栽培されたものが、
お店でよく見かけるようになりました。
「きのこの話。」は、週に1度の連載ですが、
藤子不二雄Aの漫画に出てくる喪黒福造のように、
ほんの少しでも、読者の皆さまの、
心のスキマを埋めることができるよう、精進します。
機会があったら、ぜひ、本物を見つけるべく、
森へ出かけてみてください。