きのこの魅力は、いろいろありますが、
おそらく、けっこう多くの人が、味、
つまり、おいしく食べることを挙げるのではないかと。
しかし、きのこに興味を持ち、
見たり、聞いたり、調べたりしているうちに、
食べる、食べられない、よりも、
生きものとしてのきのこの魅力に惹かれていくのです。
そうなると、きのこは、
本当にいろいろな形があるし、様々な色があるし、
臭いきのこがあれば、良い香りのきのこもあり、
触り心地だって、手の快感、と言いたくなるような、
惚れ惚れするようなものがあったりします。
つまり、五感できのこを捉えようとするわけで。
逆に、森へ、きのこ観察、鑑賞に出かけたら、
五感で楽しまなければもったいないです。
本当に。
ああ、きのこは、なんとまあ、奥が深いものよ。
と、言うか、世の中、そんなに、
単純なことばかりじゃありません、はい(笑)。
多様性とか、意外性とか、複雑さなどを、
理解したうえで、世の中を見つめたい、と思います。
さて。
きのこ初心者なら誰でも憧れる、
と、言っても過言ではないきのこのひとつに、
タマゴタケがあります。
タマゴタケの特徴は、まず、
傘が赤く、柄が黄色く、根本に白い卵状のものがある、
と、この3つを挙げることができます。
しかし、今回ご紹介するきのこは、
タマゴタケのようで、タマゴタケではないような、
でも、やっぱりタマゴタケに見えるけど……、
と、実に悩ましい形状をしています。
それもそのはず、しばらく前までは、
タマゴタケの亜種として考えられていたわけで。
その名も、キタマゴタケ、と言います。
キタマゴタケは、夏から秋にかけて、
広葉樹、針葉樹を問わず、林地の地面から発生。
多くの場合、そこそこ群生するようです。
日本では主に西日本に分布するらしいので、
北海道で見るのはなかなかレアなケースかも。
傘は、橙黄色〜黄色で、周縁部には条線が。
柄は黄色の地に橙色のダンダラ模様がありますが、
通常のタマゴタケよりも橙色が少ない感じ。
黄橙色のツバが見られます。
食。
タマゴタケ同様、おいしいらしいのですが、
それほど多く見られるわけではないので、
詳しい味はよくわかりません。
テングタケの仲間には、毒きのこも多く、
確実に種が同定できない場合には、
食べるのはやめましょう。
見て、見て、見倒す(笑)。
見ることこそ、きのこの最大の楽しみではないか、
と改めて確信する今日このごろであります、はい。