けっこう少なくない数の人々が、
きのこは秋に発生するものだと思ってたりします。
俳句でも、きのこは、秋の季語ですし。
でも、お店で売っているきのこはもちろん、
野生のきのこも冬を含めて1年中見ることができます。
なんてったって、きのこはカビと同類ですから、
気温が高く、じめじめ湿ったところが大好き。
冬より秋、秋より夏に、生命活動が活発化します。
われわれきのこファンは、
発生するきのこの種類で季節を感じます。
春には春の、冬には冬のきのこがあるわけで。
しかし、冬は、サルノコシカケの仲間など、
多年生のきのこを除けば、発生数も種類も激減します。
微かな期待を抱いてフィールドへ出かけたものの、
やはりきのこをあまり見ることができない……。
うっぷんが、溜まりに溜まって、爆発寸前!
そこに、待望の春がやってきます(笑)。
春に発生するきのこの代表格と言えば、
アミガサタケの仲間だと言えるのではないかと。
それに異存はありませんが、ぼくには、毎年、
春の発生するのを心待ちにしているきのこがあります。
見ないと春が来た気がしないんです。
それこそが、今回ご紹介する、
シロキツネノサカズキモドキです。
シロキツネノサカズキモドキは、春に、
土に埋もれたような広葉樹の落枝から発生します。
頭部はお椀、または、洋杯状で、
直径も深さもともに0.5〜1cmほどです。
内側は鮮やかな緋色、外側は白い毛がびっしり。
最初はつぼまっていて、やがて、開きます。
柄は白く、長さ3〜4cmほど。
よくみると、白い毛がびっしりと覆っています。
食不適。
これほどの可愛さを持ったきのこです。
食べる、なんてことは考えずに、
じっくりと鑑賞させていただこうではありませんか。
夏の始めに発生するのは、
おそらく、キツネノサカズキではないかと。
子実体はやや小柄な感じですが、そっくりです。
待ちに待った春がやってきて、
きのこがあちこちに顔を出すようになると、
きのこファンは、水を得たきのこのように、
活発化するのです、はい。
ちなみに、
今回の写真は群馬県で撮影しました。