いやいや、ウイルスという、
ちょっとよくわからないやつ(もの)が、
世界をがらっと変えてしまいました。
日常生活でマスクが必須になるなんて、
数年前には思いもしませんでしたよね。
人間も、きのこも、粘菌も、
生物を構成する最小単位は細胞ですが、
ウイルスにはその細胞がありません。
(遺伝子は持っています)
果たして、生物なのか、無生物なのか……。
目に見えないくらい小さな生物を意味する、
「微生物」という言葉がありますが、
含まれるのは、菌類、細菌、そして、ウイルスです。
(ウイルスは電子顕微鏡を使わないと見えません!)
我らがきのこは、菌類に分類されますが、
なんとなんと、微生物なんですねえ。
きのこの本体は、菌糸という糸状の細胞なので、
通常は、目に見えないくらい小さいんです。
菌類よりも、ずっとずっと小さく、
顕微鏡を使わないと見えないのが細菌。
細胞の中心に明確な核を持ちません。
乳酸菌や大腸菌などがよく知られていますが、
「菌」という文字が使われていますが、
菌類とは月とスッポンです。
粘菌(変形菌)も「菌」がつきますが、
こちらも菌ではなく、アメーバ動物の一種です。
きのこは、そんな、微生物の中では、
巨大だと言っても過言ではありません。
なんせ、子実体は肉眼で見えますから!
そんな、巨大微生物(笑)・きのこの魅力は、
何と言っても、子実体の多様性ではないかと。
色も、形も、多種多様で、見ていて飽きません。
さてさて。
今回ご紹介するのは、秋の森の地面で見つけた、
キナメアシタケという小さなきのこです。
キナメアシタケは、夏から秋にかけて、
主に針葉樹林の落葉の間や切株などから発生します。
傘は、レモン黄色で、中央部は暗色のち淡色となり、
湿っているときには条線が見られます。
傘裏のヒダは、やや密で、白色。
柄はやや粘性があり、レモン黄色〜帯黄褐色です。
食不適。
松ぼっくりが大きく見えるほど小さく、
可愛らしい黄色いきのこです。
じっくり眺めて楽しみましょう!
ちなみに、
きのことカビは同類です。
きのことカビの区別は、単純に、
目に見える子実体をつくるのがきのこ、
つくらないのがカビです。