最近、あまり山に登らなくなったのですが、
ひと昔前までは、暇さえあれば山、でした。
ぼくの大のお気に入りは、日高山脈。
カムイエクウチカウシ山とか、
ピリカヌプリとか、コイカクシュサツナイ岳とか、
山も素敵だけど、アイヌ語の響きもいいでしょ。
(山名はアイヌの人々が名付けたとは限りません)
現在でも、登山道がほとんど整備されてないので、
ピークを目指すには、沢登りが基本です。
重いバックパックを背負って(ビール多数!)、
川の中をざぶざぶ歩き、滝をよじ登るのですが、
日高山脈を源とする川のきれいなこと!
川全体が、ミネラルウォーター!
でも、北海道では、
例えどんなにきれいな沢の水でも、
エキノコックス症の感染防止対策のため、
残念ながら、生で飲むことは推奨されてません。
しかし、そんなことは関係なしに、
本当に美しい川の中を歩くのは快感です。
川を遡行していると、砂利の間に、
金色にキラキラ光る物体が目につくんですよ。
最初の頃は、すわ、砂金か!と色めき立ったのですが、
砂金にしては、軽いし、薄くてぺらぺらなんです。
調べてみると、雲母(うんも)と言うらしい。
そう、ここで、ようやく、
今回ご紹介するきのこと話がつながりました(笑)。
キララタケの「きらら」は、雲母の意味なんです。
キララタケは、初夏から秋にかけて、
広葉樹の切株や倒木など、腐朽木から発生します。
傘は直径2〜3cmほど。
淡黄褐色で、釣鐘形〜円錐形です。
はじめは、名前の由来でもある、
雲母状の粉粒が付着していますが、
まもなく落ちてしまって平滑に。
周縁部にはくっきりと条線が入ってます。
ヒダは最初白く、後に、黒色に。
柄は高さ5〜10cmほど。
白く、平滑で、中空です。
ヒトヨタケの仲間なので、時間とともに、
傘が液化していきます。
食不適。
食べられる、とする図鑑もあるようですが、
ヒトヨタケと同じく、アルコールと共に摂取すると、
悪酔い(顔の火照り、頭痛、頻脈など)するほか、
一度にたくさん食べると、
中枢神経系の中毒を起こすことがあるとか。
毒きのこ扱いにしてもよいかと……。
ご用心、ご用心。
ちなみに、日高山脈は、
原始そのままの大自然が残る「秘境」ですが、
(近く、国立公園に制定されるとか!)
登山(沢登り)をする場合には、
高いスキルが要求されるので、どうぞ、ご注意を。
それにしても、
日本広しと言えども、お盆休みに、
2泊3日の行程で山を歩いていて、
人っ子一人、誰にも会わない、なんて場所は、
日高山脈以外にはないかもしれません……。
今度、日高山脈に、きのこを探しに行こうかな。