ぼくは、常日頃から、
阿寒の森は、すごいぞ! いいぞ!
と、あちこちで言ってますが、
もし、あなたが、阿寒の森を堪能したい、
と思うのであれば、ガイドツアーをオススメします。
天然の森へ行くのは、リスクも多いですから。
阿寒の森を歩いた方の感想を聞くと、
自然も森も本当に素晴らしい、ということに加え、
なんとなく、怖い、畏れ多い、と……。
何度も通っていますが、ぼくも、同じです。
素晴らしい自然、と思う反面、
自分はこの場所で生きていくことは不可能だ!
と、無意識のうちに認識しているのかもしれません。
生きていくことが難しそうであればあるほど、
感動の度合いが大きくなるというか……。
もしかしたら、恐怖や畏怖のドキドキが、
感動のドキドキに変換されているのかも(笑)。
それはそうと、阿寒の森で、
恐怖や畏怖の対象になるものとして、
真っ先に思い浮かべるのは、くまさんでしょう。
かつて、ぼくは、森で、
腹ばいになってきのこを撮影していて、
そのぼくの姿をわずか3mくらい上方から、
(立って手を伸ばせば触れる距離!)
くまさんに観察されていたことがありました。
目があったとき、くまさんの方が逃げたので、
事なきを得ましたが、いやあ、ビビりました(笑)。
なんてったってヒグマですから。
でっかいのなんの……。
くまさんの話をしだすと、
止まらなくなってしまうので、
きのこの話に変えましょう、はい。
さて、今回ご紹介するきのこは、
春を告げるきのことしてきのこファンに大人気の、
アミガサタケです。
阿寒湖周辺では、春の訪れが遅いので、
毎年、5月中旬から7月上旬くらいにかけて、
森の地上や、人家が近い路傍などで発生します。
何でもアルカリ系の土壌が好みらしく、
サクラとか、内地ではイチョウなどの根本で、
よく見られるようです。
全体の高さは、5〜12cmほど。
頭部は、たまご形〜たまご状円錐形で、
網目状の隆起したしわひだが小区画を形成しています。
色は淡黄色〜黄褐色です。
柄は円筒形で中空、白〜帯黄色、
表面に細かい凸凹があります。
食。
きのこファンにとっては、
春の代表的な味覚のひとつ。
生で食べると中毒をおこすので加熱が必要です。
きのこそのものの肉質はもろいのですが、
茹でると弾力が出て歯ざわりもよくなります。
ちょっと似た仲間で毒きのこもあるのでご用心。
ちなみに、森でいちばん人間を殺しているのは、
くまさんではなく、スズメバチです。
くまさんと出会ってしまったら、
「まあまあくまさんちょっと待ってください……」
などと、なんか、会話が通じそうな気がしますが、
(もちろん通じません)
スズメバチや毒蛇は意思疎通ができなさそう。
(当たり前です)
森歩きは、冗談ではなく、命がけなのです。
リスクを回避する対策が常に必要なのではないかと。