正解!食べられません!
マンネンタケ食不適

今年2021年の3月で、我が「きのこの話。」は、
なんとなんと、連載10年を迎えました!

糸井重里さんをはじめとする、ほぼ日の皆さま、
そして、読者の皆さまに、心よりお礼申し上げます。

連載が始まったのは、2011年3月1日。
当初は毎週火曜日に掲載されていたのですが、
途中から菌曜日に引っ越しました。

ちなみに、ぼくは、現在、
「きのこ写真家」「きのこ粘菌写真家」
などと自称しておりますが、
実は「きのこの話。」の連載がきっかけなんです。

いまも担当していただいている、もぎさんから、
「連載を始めるにあたって肩書はどうしますか?」
と、聞かれたので、しばし、う〜む、と考え、
「『きのこ写真家』とでもしておいてください」と。

当時のぼくは、コピーライターやライターをしつつ、
春以外は北海道の阿寒湖で自然ガイドもしており、
写真は独学でまったくのド素人!でしたが、
ほぼ日さんで、写真と文の連載を始めるわけだし、
と、ついでに写真家を名乗っておこうと思ったんです。
なんか詐欺っぽい……(笑)。

ですから、このたび、
「きのこの話。」連載10周年に加えて、
「きのこ写真家」歴も10周年になるんです。

と、いうことで、
とびっきり縁起のいいきのこをご紹介します!

マンネンタケです。

マンネンタケは、夏から秋にかけて、
ミズナラなど、広葉樹から発生します。

傘は、厚さ約1〜2cm、半径10cm前後の腎臓形。
表面は黄色〜錆黄色で、後に、赤褐色〜黒色に。
漆を塗ったようにつやつやしています。

傘の裏側は、黄白色、後、肉桂色。
やや湿った感じで、無数の細かい穴が空いてます。

扇子の「要」の部分に長さ2〜4cmの柄をつけます。
中実で、傘と同色です。

食不適。

漢方では「霊芝(れいし)」と呼ばれ、
民間薬としてよく知られています。
なんでも、不老長寿の妙薬とか……。

マンネンタケは、その昔、奈良時代くらいから、
福草(さきくさ)などと呼ばれており、
縁起をかつぐめでたいきのことされてきました。

木から発生した状態では、
1〜2か月ほどで腐ってしまうのですが、
採取して乾燥させると、色はややあせるものの、
長期保存が可能になります。
なんせ、万年茸、ですから……。

それはそうと、
3月、と言えば、めでたいことばかりではありません。
「きのこの話。」の連載開始直後、3月11日に、
世界史的にも未曾有の大災害を引き起こした、
東日本大震災が発生しています。

改めて、
被害に遭った方々にお見舞い申し上げるとともに、
亡くなられた方々に心より哀悼の意を表します。

あれから、もう10年、まだ10年……。
まだまだ解決すべき問題は山積しています。

それはそうと「きのこの話。」を、
今後ともどうぞよろしくお願いします。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。