関東地方から西にお住まいの方だと、
あんまりイメージがわかないと思うのですが、
北海道には、ほとんど竹は生えてないんです。
東北地方の内陸部や岩手県や青森県でも、
ほとんど見ることはできません。
北海道や東北地方の北部で「タケノコ」と言う場合は、
マダケやモウソウチクではなく、ネマガリタケのこと。
ネマガリタケ、とは、チシマザサの別名であり、
タケノコ、とは言うものの「ササの子」なんです。
熱湯で煮たり、皮付きのまま焚き火に放りこんで、
味噌や醤油やマヨネーズをつけて食べたら最高です。
味噌汁の具としても、煮物にしても、おいしい。
アクがなく、歯ごたえがよく、初夏のごちそうです。
(もちろん食べるときは皮をむきます)
あ、話がずれてしまった……(笑)。
今回ご紹介する、ヤブニワタケの写真の、
背景に写っているのは、そう、竹やぶです。
つまり、これを撮影したのは、
阿寒でもなく、北東北でもない、と。
我が愛犬柴犬はなさんとのお散歩途中、
群馬県で撮影しました。
このきのこを見つけたとき、
今まで知っているきのこの特徴と合致せず、
名前の見当がつかなかったのですが、
打ち合わせで、茨城県つくば市にある、
国立科学博物館筑波実験植物園へ行く機会があり、
保坂健太郎博士に写真を見せたところ、
あっけなく、ニワタケの仲間ですね、と、
教えていただいた、というわけであります。
(一家に一人ほしい、保坂博士!)
だって、柄が、紫っぽい感じの色だし、
なんかフリースみたいに見える形状だし、
おまけに、けっこう、でっかいし……。
調べてみると、ニワタケは、
マツの切り株やその周りで発生し、
竹に発生する変種がヤブニワタケなのだとか。
最初に発見されたのは、なんと、キューバ。
どうやら東洋からもたらされた竹と一緒に、
ヤブニワタケも海を越えてしまったみたい(笑)。
で、ヤブニワタケについては、
竹やぶで発生する、ということ以外に、
詳しい情報がないので、以下の外観の特徴は、
ニワタケのものです。
あしからず。
傘は経5〜15cmくらい。
まんじゅう形から平らに開き、
最後には反り返るようになって中央部がくぼみます。
表面は錆褐色〜暗褐色で、
細かいビロード様の密毛に覆われ、
縁が内側に巻いています。
傘の裏側のヒダは帯褐クリーム色のち黄褐色。
間隔がぎゅっと詰まっています。
柄は強靭で高さ3〜12cmくらい。
表面は黒褐色の粗毛に覆われ、
傘の中心からやや偏ったところにつきます。
食毒不明。
まあ、ヤブニワタケそのものも、
まだまだ解明されてないところがあるようですし。
竹やぶって、実は、いろいろなきのこが発生します。
きのこ好きの人は、ぜひ、チェックしてみてください。
地球温暖化の影響で、竹の生息域も北上してるとか。