クロホテイシメジは、
漢字で書くと、黒布袋占地、です。
布袋、というのは、もちろん、
七福神でも有名な布袋さまのこと(だと思います)。
中国の王朝である唐の末期に、
(日本史で習った遣唐使の送り先の唐だ!)
実在したと言われる仏教の禅僧で、
弥勒菩薩の化身とも言われていますね。
おおらかな感じの太った風貌が印象的。
手にした袋から財を出して与えてくれます。
クロホテイシメジ、という名前からすれば、
もともとホテイシメジというきのこが存在していて、
それにそっくりだけど色が黒いから、
クロホテイシメジと名付けられたと考えるのが道理。
では、いったい、ホテイシメジの名は、
七福神の布袋さまとどんな関係があるのか?
手元にあるきのこがらみの文献や、
インターネットでググってみたりしたのですが、
定かなことはわかりませんでした……。
愚考するに、ホテイシメジの柄に注目すると、
一番下の部分がぷっくりと膨れ上がってるんです。
そう、それを、ユーモラスで愛嬌たっぷりの、
布袋さまのおなかに例えたのではないかと。
さて。
クロホテイシメジは、夏から秋にかけて、
広葉樹、針葉樹の、腐朽が進んだ材から発生します。
傘は経4〜7cmくらい。
表面は平滑で、灰褐色〜茶褐色。
中心部がやや黒ずんでいます。
傘の裏のヒダは、柄に長く伸びていて、
白色〜クリーム色で、間隔はやや広め。
柄は長さ4〜10cmほどで、
傘よりは色がやや淡くなっています。
下方に向かって膨らみ、下部は経1.5cmほど。
食毒不明。
本家のホテイシメジは、
食べられることは食べられますが、
お酒と一緒に食べると、
顔や手のひらが火照る、
頭痛、激しい動機などが起こったりも。
いわゆる、悪酔いの症状ですね。
酒飲みには毒きのこと言っても過言ではありません。
クロホテイシメジも似たような仲間なので、
食べないほうが無難でしょうね、きっと。
ちなみに、七福神には、
大黒さまもいらっしゃいますが、
ホンシメジのことを別名、大黒占地、
などと呼んだりすることもあるそうです。
もちろん、名前の由来は、
柄のぷっくり加減と大黒のお姿の相似。
でも、大黒さまのお姿と言えば、
ふくよかなおなかよりは、
大きな福耳の方が印象的ですよね。
命名者はそのあたりのところ、
どう考えているのでしょう?