「香り松茸味占地(しめじ)」という、
ことわざ、というか、慣用句というか、
まあ、そういう言葉が世の中にはあるわけです。
マツタケは香りが優れているのに対して、
シメジ(ホンシメジ)は味が優れている、と。
しかし、それは、はたして事実でしょうか(笑)?
マツタケの香りが嫌いだという人もいるだろうし、
マツタケの味が何より好きな人だっています。
(なんせ、あの、マツタケ、ですから)
一方、ホンシメジの香りは、
特徴と呼べるものはほとんどなく、
いわゆる普通のきのこっぽい香りなので、
好きとか、嫌いとか、
あまり評価の対象にはならないかと。
一方、ホンシメジのお味は一級品。
マツタケよりも好きだという人の意見も納得です。
とはいえ、味や香りは個人の嗜好によるので、
これが一番! と断言するのは難しいでしょうね……。
ものごとそれぞれに長所短所があるってことですな。
そして、今回ご紹介するコガネタケもまた、
香りに関してはなかなか悩ましいきのこなんです。
マツタケに関しては、賛否両論あるとしても、
いい香りだと思う人の方がきっと多いはず。
ところが、コガネタケの香りに関しては、
否定的に捉える人が多いのではないかと……。
よく聞くのが、生臭い、とか、汗臭い。
う〜む。
コガネタケは、夏から秋にかけて、
林地や道端、庭などで発生します。
発生場所を見つけて覚えたとしても、
3年くらいでその場では発生しなくなるとか。
傘は、経5〜15cmほど。
黄土色〜黄金色ですが、同じ色の粉も付着しています。
傘裏のヒダは、ぎゅっと間隔が狭く、
はじめ黄白色、のち黄土褐色。
柄は、高さ8〜15cmくらい。
傘と同色で下部が膨らんでいます。
しばしば縦じわが見られ、
上部には膜質の大きなツバがあります。
食。
まあ、この香りを芳香、と感じる人もいるのですが、
苦手な人は食べるのを躊躇するのではないかと(笑)。
ただ、料理をすると、香りはほぼ消えます。
歯切れ、舌触りは抜群です。
手で触ると黄色い粉がたくさんついて、
こすってもなかなか落ちないんですよね。
これが粉が服に付くとなかなか落ちづらいので、
どうぞご用心のほどを。