そこそこ長くきのこの写真を撮っているので、
ぼくは一般的な人よりもややきのこに詳しいですが、
それでも、初めて見るきのこ、知らないきのこが、
けっこうたくさんあります。
なんせ、日本に生えているきのこで言うなら、
名前が付いてないきのこの方が多いくらいですから。
きのこを「鑑賞」するうえでは、
そのきのこを知っている知らないは関係なく、
その場所に生えている、そのきのこを、
自分の思うままに、とことん見まくればいいんです。
あるいは、感じればいいんです。
きのこの色や、形は、本当に多様ですし、
同じきのこでも個体差や地域差があるので、
ひとつとして同じきのこはないわけです。
まさに、一期一会。
写真撮影的にも、きのこをじっくり鑑賞して、
琴線に触れたところをうまく写し取ることができれば、
いい作品になるのではないかと思います。
このシャグマアミガサタケの写真は、
猛毒きのこだとわかっている上で撮影しました。
そして、そのときは、
いかにも猛毒のきのこという感じで、
何というか、おどろおどろしく撮るよりも、
変わった形のきのこを見つけたので、
その場の雰囲気に合わせて可愛らしく撮りたい、
と思ったわけです……(笑)。
さて。
シャグマアミガサタケは、春のきのこです。
阿寒で言うなら、5月くらいによく見かけます。
発生場所は、主に針葉樹の地面。
全体の高さは7〜15cm。
頭部は赤褐色〜褐色で、不規則な脳のような形状。
経は3〜6cm、高さ5〜10cmほど。
内部は不規則な空洞で、淡黄土色。
柄は高さ3〜9cm、経2〜4.5cm。
不規則な凹凸があり、類白色〜淡褐色。
根本は太くなっていて、中空です。
誤食すると死ぬほどの猛毒ですが、
ヨーロッパあたりでは、
茹でこぼして食用にしたりするほか、
水煮の缶詰も売っているとか。
ただし、毒が揮発性なので、
茹でている時に発生するガスを吸い込むと、
なんと、中毒してしまうのだとか。
ひいい……、ご用心、ご用心。
それはそうと、
毒きのこ、あるいは、猛毒のきのこと聞くと、
ちょっとだけワクワクしてしまうのは、
きっとぼくだけではありませんよね、ご同輩。