誰もが1度くらいは、
自分は何のために生きているのだろうか?
などど考えたことがあるのではないかと。
ある意味、それは、
われわれの永遠の命題でもあり、
それゆえに、人々は、哲学書を読みふけったり、
森をさまよったり、ボールを投げたりして、
自分なりの生き方を模索するわけです。
地球にはさまざまな種類の生物が生息していますが、
そんなことを考えるのはニンゲンだけですな。
その延長というか、
まあ、ニンゲンのサガと言うか、
自分のことは棚の上の隅っこに置いておいて、
ニンゲン以外の生物をしげしげと見つめ、
この生物は何のために生きているのか?
あるいは、
地球環境の中で何か役に立っているのか、
はたまた、
何かニンゲンの役に立っているのか?
などと考えたりもします。
う〜む……。
では、今回ご紹介するベニナギナタタケは、
一体全体、何の役に立っているのでしょうか?
ベニナギナタタケは、夏から秋にかけて、
林内の地上から発生します。
地上から発生するものの、
樹木と共生する菌根菌ではなく、
どうやら、腐植土を分解している、
つまり「食べている」らしいです。
高さは5〜14㎝、厚さは1〜2.5㎝くらい。
緋色〜朱赤色〜赤橙色ですが退色しやすく、
淡桃色〜鮮紅色となり、基部は黄白色。
枝分かれをせず、束状に生えています。
きのこは、最初、円筒形で、
成熟すると先が尖って中央部に縦の溝線を生じ、
扁平となって、最後には曲がりくねります。
中実ですが、一部、中空でもあり、
やや脆く、無味無臭です。
食。
ただし、あまりおいしくはないようです。
彩りに使うくらいですかね。
腐葉土を分解する……。
ニンゲンの食用にもなる……。
でも、ベニナギナタタケの存在意義は、
それだけでは決して語ることはできません。
地球で生きているすべての生物は、
何かの役に立つために生きているのではなく、
きっと、生きるために生きているわけです。
で、結果的に、ニンゲンがそれを、
地球上ではこれこれの役割を果たしている、
と見なしたりするわけですな。
では、最初に戻って、
われわれが生きている意味は、
何なのでしょうか?