まあ、何というか、変な形のきのこです。
ケロウジ、という名前は、漢字で書くと、毛老人。
名前もまた、変なきのこなのです。
ケロウジは、菌根菌。
北海道であればアカエゾマツなど、
本州であればアカマツなどなど、
マツの仲間の根っこと地中でつながって、
お互いに必要な栄養をやりとりしつつ共生します。
よく「シロ」などという言い方をしますが、
マツタケなどの菌根菌は、毎年、
だいたい同じような場所から発生します。
ですから、発生場所を覚えておけば、
何年かは採取できるというわけ。
時間の経過によって、
樹木本体も、環境も、変化していくので、
樹齢によって共生相手のきのこも変化するとか。
アカマツを例にとれば、
樹齢10〜20年くらいだと、
アミタケやキツネタケが多めに見られ、
樹齢20〜30年くらいだと、
キシメジやカキシメジが見られのだとか。
今回ご紹介しているケロウジ、
そして、泣く子も黙るマツタケは、
樹齢30年〜50年くらいのアカマツで見られるとか。
樹木ときのこの関係、面白いですねえ……。
さて、ケロウジですが、
夏から秋にかけて発生します。
一説によると、ケロウジが発生すると、
マツタケは発生しなくなるのだとか。
もしかしたら、マツタケの天敵かもしれません。
傘は、経5〜20cmほど。
まんじゅう形からやがて浅いロート状に開きます。
表面は淡褐色で、微毛が密生。
時間が経つとささくれ状に裂けて鱗片になります。
傘裏は、灰褐色で、
長さ5〜8mmほどの針状突起が、
柄に向かって長く密生しています。
手で触るとぽろぽろ崩れます。
柄は、長さ3〜4cmくらい。
中実で、根本はやや青黒くなっています。
食不適。
肉はくすんだ桃黄色で、
とても苦いらしいです。
毒はないものの、この苦味は致命的。
とても食べられたものではないとか。
どうぞ、ご用心。
苦くて食べられないから、マツタケの天敵だから、
という理由で、見つけたケロウジを蹴っ飛ばすのは、
やめてくださいね!