冬に道東の有名タンチョウ撮影スポットへ行けば、
カメラマンが列をつくって早朝から撮影しています。
それは、さながら、カメラとレンズの博覧会。
皆さん、まあ、超高級カメラに加えて、
お高い超望遠レンズを使っていらっしゃる!
最近のカメラは、ものすごく性能が進んで、
動いている動物の目にピントが合い続けるんです。
それどころか、
飛んでいる鳥の瞳を感知して、
これまたピントを合わせ続けるってんですから、
もう、何が何だかわかりません。
一方で、きのこの撮影は簡単です。
それほど高性能のカメラは必要ありません。
だって、きのこは、動きませんから(笑)。
しかしながら、きのこ撮影において、
ひとつだけ、困ったことがあります。
それも、同じく、動かないことなんです。
静謐なイメージの写真は撮影しやすいのですが、
ダイナミックな、動きがある写真は、なかなか、
いや、ほとんど撮影できないんですよね。
ぼくは最近、動画も撮り始めて、
テレビで使ってもらったりしていますが、
30秒撮影してもまったく変化なし(笑)。
背景の草が、風にちょっとなびくくらい。
それじゃあ動画だか静止画だかわかりません。
まあ、仕方ありませんが……。
ヒイロチャワンタケは、夏から秋にかけて、
森というより林道脇などの裸地の地面に発生します。
最初は深いお椀形で、成長すると、
開いて浅い椀形〜ゆがんだ皿状になります。
直径は通常2〜5cmほどですが、
まれに直径10cmを超えるような大物も。
椀の内側の胞子をつくる面は、鮮やかな緋色〜紅赤色、
網目模様がはっきりと確認できます。
外側は内側よりもいくらか淡い色。
触ると崩れるくらい、肉質は弱いです。
食毒不明。
たとえ毒がないとしても、
触っただけでもぼそぼそしているし、
色も形もあまりおいしそうではありません。
ちなみに、
きのこがダイナミックに動くシーンって何?
と考えると、思いつくのは、胞子の放出シーンですな。
きのこは基本的に常に胞子を放出していますから。
で、このヒイロチャワンタケは、
カメラのホコリなどを取るブロワーで、
表面にぶわっと風を吹きかけると、
3〜5秒のタイムラグがあって、
胞子を吹き上げるんです。
何回やっても同じなんです。
さて、さて、この送風と胞子放出の時間差には、
いったいどういう理由があるのでしょう?
やっぱりきのこは面白い!