以前ご紹介したことがあるツチグリとか、
今回初めてお目にかけるエリマキツチグリは、
地中生とか半地中生とか言われておりまして、
幼菌のときはほぼ球形で、地中に埋まっています。
幼菌は二重の袋状といった構造で、
中で胞子がつくられ、成熟していきます。
胞子が成熟すると、
外皮がてっぺんから幾片かに裂けて開き、
皮をむいたミカンのような姿となり、
胞子が入った袋が現れます。
胞子が入った袋のてっぺんには穴が空いていて、
降雨や動物に踏まれるなどの刺激を受けると、
そこからぶわっと胞子を放出します。
ツチグリも、エリマキツチグリも、
きのこの形や胞子放出戦略が似ているので、
見た目では、同じ仲間のように思えますが、
ツチグリはイグチ目ディプロキスティス科、
エリマキツチグリはヒメツチグリ目ヒメツチグリ科、
なんとなんと、
分類の「目」のレベルから異なる、別種なんです!
さて、
エリマキツチグリは、夏から秋に、
林内地上、特に落葉層の豊富な部分に群生します。
幼菌は頂部がくちばし形に尖った球形で、
褐色〜緑褐色の外皮には鱗片が見られます。
成熟すると、外皮は4〜7片に裂開、
その内側が襟巻き状に剥離することが多く、
この特徴から、名前が付けられたわけです。
内側の袋は平滑で、
胞子放出孔周辺には円座が見られ、
外皮との接続部分に柄はありません。
吹き出す胞子は茶褐色です。
食不適。
ツチグリなどは幼菌時に食べる地方もあるようですが、
こちらは、どうなのでしょう?
毒は無いようです。
とある図鑑のツチグリに項目に、
「幼菌は地下生で、見つけにくいが、
成熟裂開したのちには地上にあらわれる」
と、さらっと書いてあるのですが、
これらまんまるのきのこが、どうやって、
地下からのこのこ地上に這い出してくるのでしょう?
外皮が開くときに土や落葉をかき分けて、
えいや〜と姿を現すのでしょうか?
出てくるところを見たいなあ!
ちなみに、
ツチグリの成菌は、
湿度が下がると外皮を再び閉じますが、
エリマキツチグリはずっと開いたままです。