名は体を表す、と言いますが、
まあ、生物の名前においては、
見た目とか特徴を的確に表している場合が、
全部ではないでしょうが、けっこう多いと思います。
今回ご紹介するニオイマツオチバタケも、
名前を聞いただけで、どんなきのこか、
大体想像できてしまうのではないかと。
まあ、きのこ初心者には難しいかもしれませんが、
図鑑などをぺらぺらめくって眺めていると、
いろいろなきのこの形が脳にストックされますから。
「ニオイ」とあるからには、
いい香り、もしくは、臭い匂いが、特徴的なはず。
「マツオチバタケ」は、
マツの落葉から発生している、という意味。
そして、マツの落葉から発生するとなれば、
きのこの大きさや形がなんとなく想像できます。
あの、細長い松葉から発生するのですから、
きのこそのものはそれほど大きいわけではなく、
傘は相当に小さく、柄もひょろひょろと細長いとか。
と、いうことで、もう、半分くらい、
ニオイマツオチバタケについて、
説明してしまった気がしないでもありませんが(笑)、
改めて、簡単に、ご説明します。
アカエゾマツやヨーロッパトウヒの落葉上に、
6月から8月くらいにかけて発生。
しかも、群生します。
もしかしたら、北海道以外では、
あまり見られないきのこかもしれません。
傘は経0.4〜2cmくらい。
最初はまんじゅう形で、やがて、
真ん中が盛り上がった形で平らに開きます。
表面は無毛で、赤茶色〜淡い褐色、
周辺部は色が淡くなっています。
なんと、傘を潰して匂いを嗅ぐと、
ニンニクのような匂いがするんです。
きのこなのに、ニンニク臭!
ヒダはやや間隔が広くなっています。
柄は、中実で、高さ2〜4cmほど。
毛に覆われていて、けっこう丈夫です。
食不適。
やや硬くてニンニク臭がするきのこを、
食べようとはあまり思いませんよね……。
見るだけでも十分楽しめます。
いいことを思いついたのですが、
もし、知らないきのこを見つけたら、
ぜひ、自分で、きのこに名前をつけてみましょう。
名前つけるには、前述したとおり、
きのこの特徴をよく知ることが前提なので、
じっくり観察するきっかけにもなりますよね。
家に帰って、図鑑を見て、
そのきのこの名前を的中させてしまった、
などという得難い体験ができるかもしれません。