もしも、の話で恐縮ですが、
日本の国民的きのこ総選挙なるものが行われたら、
まず、間違いなく、その栄誉を勝ち取るのは、
マツタケだと思うんです、はい。
シイタケも、エノキタケも、ホンシメジも、
国民的人気はそこそこ高いと思われますが、
「ザ・日本のきのこ」の称号を得るには、
何かが足りないと言わざるを得ません。
まあ、総選挙なんぞしなくても、
マツタケは日本きのこ界の絶対王であることに、
異論を唱える人はいませんよね。
マツタケに近縁のきのこは、
針葉樹に発生しマツタケ臭がない、マツタケモドキ、
広葉樹に発生しマツタケ臭がない、ニセマツタケ、
広葉樹に発生しマツタケ臭がある、バカマツタケ、
などが挙げられますが、
バカマツタケ(な、名前がひどすぎる!)に関しては、
香りも味もほとんど本家マツタケに遜色なし。
広葉樹林に生えるくらいしか(発生時期もやや早い)、
違いが見つからないんです。
そして、菌根菌であるマツタケは、
人工栽培が非常に難しいとされていますが、
バカマツタケに関しては、2018年に、ついに、
人工栽培に成功した、とのニュースが駆け巡り、
今後がとても期待されています。
それはそうと、
マツタケを探すために森へ行き、
マツタケを発見して喜び勇んで近寄ったら、
マツタケモドキだったときの落胆たるや、もう……。
想像するだけで、イライラします(笑)。
マツタケモドキは、夏から秋にかけて、
マツタケと同じく針葉樹林の地上から発生。
たまに群生することもありますし、
本家マツタケの隣に生えていたりもします。
傘は経5〜10cmほど。
最初は半球形で、のち平らに開きますが、
縁は強く内側に巻いています。
表面は乾燥していて赤褐色です。
ヒダは間隔が狭く、白色のちに褐色。
柄は高さ5〜10cmほど。
基部が急に細まっていて先が尖っています。
マツタケは、左右に揺らして揺らして、
折れないように慎重にえいやあと引っこ抜きますが、
マツタケモドキは手首の返しだけでスポって抜けます。
食べられるきのことして知られていますが、
味もへったくれもありません。
形がちょっとマツタケに似ているだけで、
食用価値もそれほど高くないと断言します(笑)。
ちなみに、ぼくは、きのこをほとんど採集しませんが、
マツタケとポルチーニ茸ことヤマドリタケは、
状態のいいものを見つけたら必ず持ち帰ります。
うらやましいでしょ!