いろいろな機会で話してますが、
ぼくは倒木が大好きなんです。
倒木ってのは、どこにでもあるようですが、
実際のところは、ちょっと特殊というか、
天然の森くらいしか見ることができません。
公園や庭園などなど、
たくさんの樹木が見られる場所は、
田舎に限らず大都市にも多々ありますが、
倒木はあまり見かけないと思いませんか?
そう、倒木は、人間にとっては、
危ないもの、不要なもの、美しくないもの、なので、
基本的に撤去しなければ気がすまないんですね。
阿寒の森を歩いていると、歩くのが邪魔なほど、
あちこちで倒木が見られます。
だって、片付ける人がいませんから(笑)。
ひと言で倒木と言っても、
倒れたばかりの真新しい倒木から、
土に還るほど古いものまで多種多様。
倒木の腐朽具合によって、
発生するきのこも違ってくるので。
同じ倒木でも年を経るごとに、
さまざまなきのこを見ることができます。
また、季節によっても出るきのこが異なります。
先駆植物と言われている、
コケや地衣類の付着具合や発生具合も、
樹木ごとに違っていてこれも乙なものです。
さて。
アカツムタケは、夏から秋にかけて、
針葉樹の枯れた幹や切り株から発生。
そこそこ腐朽が進んだ木を好むようです。
傘は経3〜8cmほど。
はじめは円錐状のまんじゅう形で、
のち、真ん中がやや高いまんじゅう形に開きます。
表面は朱赤色で、周縁部がやや淡い色。
湿っているときにはやや粘性があります。
傘裏のヒダは、間隔が狭く、
はじめ黄色っぽくやがて赤褐色に変化します。
柄は高さ5〜10cmくらい。
中空で黄白色です。
食毒不明。
われこそ最初のチャレンジャー!
とか何とか言って、
食べる人がいるかもしれませんが、
きっとそんな人はすでに何万人もいるはず!
きれいなきのこなので、じっくりご覧あれ。
それにしても、倒木の楽しみ方は無尽蔵。
きのこや粘菌が好きな人以外でも、
コケや地衣類や昆虫や土壌生物などなど、
いろいろな生きものたちと出会えます。
ぜひ、10倍程度のルーペを片手に、
心ゆくまで観察・鑑賞してみてください。