きのこは、カビの仲間というか、
カビそのものと言っても過言ではないので、
(目に見える大きさの子実体を形成するのがきのこ!)
基本的には暑くてじめじめている場所を好みます。
北海道は本州に比べたら寒冷な気候だし、
食料自給率が400%を超えているし、
日本の冷蔵庫と言いたくなりますが(笑)、
したがって、カビ、そして、きのこは、
本州に比べたらやはり発生しづらい感じがあります。
きっと熱帯雨林のアマゾンの奥地にでも行けば、
まだ知られざる菌類がうようよいるでしょうね。
羨ましいような、羨ましくないような……。
それでも、やはり、きのこにも、
やや寒冷地を好むやつらがいるわけで。
あの、毒きのこだけど大人気を誇る、
ベニテングタケだって北方系のきのこです。
あとまあ、やや寒冷地系のきのこと言えば、
シュタケとかコフキサルノコシカケもいますね。
そして、今回ご紹介するカボチャタケも、
寒冷地で生きているきのこです。
カボチャタケは、7月から10月くらいにかけて、
トドマツやエゾマツなど針葉樹の、
倒木や切株などから、重なり合って発生します。
きのこは柄を持たない半円形で、
経5〜10cm、厚さ0.5〜2cmほど。
表面はオレンジ色〜レンガ色で、
繊維毛があり、環紋をつくります。
一見、サルノコシカケの仲間のように、
カチカチ硬そうに見えますが、
実際のところは海綿状で柔らかく、
乾燥するとけっこうもろいです。
肉は傘表面とほぼ同色で、割ってみると、
上層部は繊維質で、下層部はコルク質です。
傘の下側は赤褐色〜淡鮭色で、
大小不同の小さな穴がたくさん集まっています。
針葉樹に発生して、材を褐色に腐らせていく、
いわゆる褐色腐朽菌です。
食不適。
まあ、柔らかい、と言っても、
普通のきのこに比べたら、
噛み切れないような感じでもあるので。
とても食べる気にはなれないでしょう。
長期戦を覚悟して、
長きにわたって針葉樹を普及させていく様子を、
じっくりと観察させてもらうとしましょう。
内地の皆さん、
北方系のきのこを見るなら、
北海道そして、阿寒がオススメです。
ぜひぜひお出でくださいませ。