ぼくは、基本的には一人で、
きのこや粘菌など隠花植物を求めて、
阿寒や東北各地の森を歩いています。
でも、たまに、
友人知人が阿寒へやってきて、
一緒に阿寒の森を歩いたり、あるいは、
東北地方の八甲田山麓などへ出かけたときなど、
コケやきのこや粘菌などに詳しい地元の方々に、
同行させてもらうことがあったりします。
多人数だと「目」が多くなるので、
一人で歩くときとは比較できないほど、
いろいろなものが見つかります。
しかし、ふと気がつくと、
みんな、倒木や地べたに張り付いていて、
新緑、あるいは、紅葉で、美しく彩られた森を、
ほとんど見てないんですよね……(笑)。
さらには、
そこに美しい花が咲いていても、
すぐそばの葉っぱの異変にいち早く気づき、
花には目もくれない、と……。
さて、今回ご紹介するのは、
きのこ、というより、菌ですね。
植物に寄生する菌類です。
シャクナゲ玉もち病菌は、
もちろん、シャクナゲから発生します。
阿寒湖周辺でよく見られるのはハクサンシャクナゲ。
6月中旬くらいから7月中旬くらいまで、
きれいなピンク色の花を咲かせます。
シャクナゲ玉もち病菌は、
だいたい、5月から7月くらいにかけて、
シャクナゲの葉っぱの裏側に発生。
葉っぱの一部が肥大して、
やや肉質の菌こぶができます。
菌こぶは、はじめ、洋ナシ状で、
上部はまるく、基部は狭く、のちに肥大して、
直径3cmほどの半球形〜扁球形となります。
表面はほぼ全面、白色粉状です。
中は空洞なので、
葉っぱの裏側から覗き込むと、
球の内側を確認することができます。
食毒不明。
まあ、こんな形だし、
見た目も思いっきりまずそうだし、
食べるのは無理でしょう……。
生体はまだ未知だそうで、
シャクナゲ類にどうやって感染するか、
正確なことはわかってないとか。
(おそらく胞子だと思われる)
花より団子、ならぬ、花より菌類。
面白いなあ、菌類。