今回ご紹介するきのこは、コウジタケ。
漢字で書くと、麹茸です。
麹と言えば、
日本の食生活に欠かせない存在ですね。
醤油、味噌、日本酒(黄麹菌)、
焼酎(白麹)、鰹節(カツオブシ菌)などは、
5種ある麹菌のいずれかでつくられています。
麹菌は、東アジア、東南アジアのみに生息。
カビの一種なので、きのことは一心同体ですね。
麹菌は、なんとなんと、
日本の「国菌」に認定されているんです。
さて。
コウジタケは、ぱっと見ると、
傘が赤で、傘の裏側が黄色い網網の管孔で、
柄もなんとなく赤っぽい感じがします。
傘の裏側が管孔だということは、
ご存知、イグチの仲間なのですが、
この、傘と柄が赤、傘裏の管孔が黄色、
というイグチの仲間はけっこう多いんです。
ですから、初心者泣かせというか、
種の同定がなかなか難しいんですよ、これが。
(ぼくもいつも迷ってます!)
では、もうちょっとだけ詳しく見ていきましょう。
コウジタケは、夏から秋にかけて、
林内や公園などの広葉樹の樹下や、
花壇や草地から発生します。
傘は経4〜7cmほど。
まんじゅう形からやがて平らに開きます。
表面はビロード状で粘性はなく、赤褐色〜血紅色。
しばしば表皮が細かくひび割れます。
傘の裏側は小さな孔がたくさん集まった管孔で、
傷をつけると青く変色します。
柄は高さ3〜6cmくらい。
表面は黄色地に赤色の条線があり、
全面が濃赤色を呈することも。
肉は黄色で、切断すると徐々に青変していきます。
そして、コウジタケの最大の特徴は、
その名の通り、麹のような甘い香りがすること。
欠かさずに、匂いをチェックしましょう。
食。
派手派手しく毒々しい色合いなので、
食用きのことは思えないかもしれませんが、
傘の肉質は柔らかく、舌触りもよいとのこと。
かつて、長野県上田市にある、
麹屋さんを見学させてもらったとき、
その麹を使った甘酒をごちそうになったのですが、
我が人生において最高の味でした。
すごいぞ、我らが、菌類!