阿寒の森に魅せられてしまって、
もう20年以上も毎年通っているのですが、
(ほぼ住人と言っても過言ではありません!)
まったく飽きることがありませんし、
きのこ観察や、写真撮影のメインフィールドを、
阿寒以外に考えたことはありません。
とにかく、森です、森。
森が本当に素晴らしい!
他の地方には及ばないことも確かにあります。
でも、北国で、冬の寒さに耐えに耐え、
健気に生きている生物は単純に愛おしい存在です。 長年、同じ場所に通って観察していると、
地球の歴史を考えるうえで、ニンゲンという生物の、
環境に与える影響の大きさを、改めて感じます。
なんてったって、今や、地球は、
宇宙から見たら光って見えるんですから(笑)!
何十億年の地球史で初めての出来事っすよね。 それはそうと、春〜初夏、そして秋には、
東北地方の北部にやや長めに滞在して、
白神山地やら八甲田山麓やら奥入瀬渓谷などへ。
こちらもやや北方系の森ではありますが、
阿寒とはまったく雰囲気が違います。
そう、道東にはないブナの森に、
ワクワクしっぱなしです。 今日ご紹介するきのこは、
岩手県の和賀山塊にあるブナの森で見つけた、
可愛く、美しいきのこです。
その名も、ヒメベニテングタケ。 ヒメベニテングタケは、夏から秋にかけて、
主に広葉樹林の地面から発生します。 傘は、釣鐘形〜まんじゅう形で、のち開いて平らに。
表面の中央部は緋色〜朱色、
周縁部は色が淡く、条線が見られます。
また、全体的に細かなイボがたくさん付着しています。
経は2.5〜3.5cmと、ベニテングタケに比べると、
かなり小さな部類に入るかと。 傘の裏のヒダは、白色〜帯黄色、
狭い間隔でぎっしり密集しています。 柄は高さ4.5〜11cmほどで、橙黄色〜橙赤色。
上部〜中央部には膜質のツバがあり、
根本は球根状で、黄色〜赤黄色の状のツボが残ります。 毒。
成分は不明ながら、誤食すると、
神経系、胃腸系の中毒を起こすとか。
ご用心、ご用心。 人間は、特にこの数十年くらいの間に、
地球環境を大いに撹乱していますが、
自ら影響を受ける度合いも少なくありませんよね。
生きるには、なかなか大変な時代かもしれません。