ちょっとかじってみると、
強い辛味があるので、その名も、ワサビタケです。
このきのこは、阿寒湖から約20kmくらい離れた、
雌阿寒岳の麓のオンネトーの湖畔の森で発見。
最初、名前がまったくわからなかったので、
(似たような姿のきのこは星の数ほども……)
いつものように基物を確認して、
傘の表面だけではなく裏面もしっかり観察して、
触感を確かめて、写真を撮影しました。
阿寒湖畔の事務所にもどってから、
写真データをSSDにコピーしつつ、
閲覧・整理・編集ができるソフトで開いて、
撮影場所などをタグ付け。
時間があるときは、ついでに、
図鑑を見ながら種の同定なんぞをするのですが、
ぱらぱらとめくっていたら似たきのこを見つけ、
説明を読んだら、ビンゴ! だったのでした。
ラッキー!
しかし、後悔したんです。
だって、図鑑に、ピリッとした辛味がある、
などと書いてあるわけです。
だって、ワサビタケと命名されたからには、
ワサビっぽい辛味があるからでしょう?
トウガラシ、和辛子、ショウガ、サンショウ、
ではなく、ワサビ的辛味が……。
ああ、自分の舌で確認したかった!
まあ、後悔しても仕方ありません。
では、いったい、ワサビタケとは何者なのか?
夏から秋にかけて、
広葉樹の枯木、倒木、切株などから発生します。
傘は、淡黄褐色〜淡肉桂色。
腎臓形で周縁部は内側に巻いています。
経1〜2cmとけっこう小型のきのこで、
多数が重なり合って発生します。
強靭な皮質で乾燥するとさらに固くなりますが、
水をかけるとそこそこもとに戻るのだとか。
傘の裏側はヒダで、幅が狭く密集しています。
柄は短く、傘の端っこに付いています。
食不適。
毒きのこだと思われていたらしいのですが、
辛味だけで、毒成分はないようです。
まあ、いずれにしても、
食用にはまったく適しません。
ちなみに、きのこの同定には、
「味」も重要な要素なのですが、
(プロは毒きのこであってもかじってみるとか)
我々素人はあまりこだわらない方がよろしいかと。
味を探るというなら、
名のあるおいしいきのこに限ります。