森の木々の葉が、
若々しい緑色からさらに色を濃くしてくると、
いよいよ、きのこシーズンも本番に突入です。
この時期は、真夏のように暑くなったり、
はたまた、春に逆戻りしたように寒くなったりと、
天候の変化が大きかったりしますが、
それでも野山を歩くにはベストな季節ではないかと。
晴れたら青空をバックに森の緑が映えますし、
森の中に降り注ぐ緑の透過光もたまりません。
雨なら雨で薄い白色を流し込んだような霧が、
森をいっそう幻想的に見せてくれます。
そして何より、夏に比べて、吸血昆虫が少ない!
(しかし防虫スプレーは必需)
きのこはカビと同じ仲間なので、
きのこの気持ち?になって考えると、
やや高温で、湿った環境が、いちばん。
と、考えると、
雨降りのあとの晴れた日などが、
きのこ観察的にはいいのではないかと思うわけで。
(実際は10日から30日くらい前の雨が有効とか)
こちとら、会社やお役所に勤めてない、
しがないけど自由なフリーランスなので、
時間だけはたっぷりあります。
雨が降った翌日に、喜び勇んで、森へ!
東北地方は、青森県の森です。
大きなミズバショウが生えている湿地を抜け、
林立するブナの根本を注視しつつ山道を登ります。
ふと、上を見上げると、
ブナやカエデやトチノキの葉が、
重なりあって描き出すモザイクの美しいこと……。
下ばかり見ていてはもったいない!
でも、気がつくと、下ばかり見ているわけで……。
積み重なるブナの落葉の間に、
スジオチバタケ発見!
北海道では見られない種類なので、
喜びもひとしおです。
スジオチバタケは、夏から秋にかけて、
広葉樹の落葉や落枝から発生します。
傘は経1〜2.5cmほど。
表面の地色は淡黄色で、
傘のてっぺんから周縁部にかけて、
深い谷のようにはっきりとした放射状の溝があり、
そのへこんだ部分が紫色がかっています。
傘裏のヒダをよく見ると、
表面の出っ張っている地色の部分と
ぴったり重なり合っているのがわかります。
ヒダは、間隔が広く、数が少ないです。
柄は長さ3.5〜11cmほど。
帯橙褐色で表面は微毛に覆われています。
食不適。
毒は無いようですが、
傘はかちかちだし、まあ、
おいしくないでしょう。
今回訪れた地域は、動植物、菌類などは、
採取禁止、ということでした。
北海道よりもひと足早い、
東北地方の新緑を満喫したら、
そろそろ北海道へと渡る季節です。
ちゃお。