6月も半ばくらいになると、
南から北まで、日本各地で、しとしとじとじと……。
梅雨入りしたとみられる、
などというニュースが聞こえてきます。
日本各地で、と書きましたが、我らが北海道には、
一応、梅雨というものは存在しません。
梅雨前線なるものは、北海道近くまで来ると、
基本的には消えちゃうからです(笑)。
ただし、6月、7月は、北海道でも、
けっこう雨の日が多いんです。
その主な原因は、オホーツク海高気圧。
「蝦夷梅雨」なんて言葉もあるんですよね。
きのこファン的には、
6月〜7月に、しっかり雨が降ると、
(もちろん災害級の雨は困ります!)
8月〜10月くらいに発生するきのこが、
多くなるような感じがするので、
(「ま」が付く国民的きのこも!)
蝦夷梅雨は歓迎すべきことです。
6月の阿寒湖はけっこう気温差が大きく、
青い空の向こうで太陽がさんさんと輝けば、
最高気温が28度くらいにもなるし、
曇りがちだったり雨が降ったりすれば、
最高気温が10度前後だったりも。
この時期に北海道旅行を考えている方は、
着るものに十分ご注意くださいませ。
さて。
この時期の阿寒の森では、
まだまだきのこらしいきのこの発生は少なめ。
地面を注視し、落葉に目をこらせば、
小さなきのこはたくさん見つかりますが、
大きなきのこはなかなか……と思いきや、
そう、あちこちの倒木に、
けっこう大きなきのこが見られるんです。
アミヒラタケです。
アミヒラタケは、初夏と秋に、
広葉樹の樹幹や切株、倒木から発生します。
阿寒湖周辺では、秋の発生は、
残念ながら確認したことがありません。
傘は幼菌時円形で、だんだん扇形に。
傘の端っこに太く短い柄があります。
表面は平滑で、淡黄褐色〜材木色、
大形で暗褐色〜黒褐色の鱗片が見られます。
経は10〜40cm、厚さは0.5〜4cmほど。
傘の裏側は、白色〜淡黄色で、
小さな孔がたくさん集まった管孔。
よく見ると孔は不正形な角形です。
食不適。
幼菌時のみ食べられる、
と書いてある図鑑もありますが、
おいしい、という話は聞いたことがありません。
大きく立派に育って、写真映えする頃には、
もう食べるには値しない、と。
しかし、きのこが少ない季節に、
これだけの存在感を示すことだけでも感動もの。
阿寒の森ではあちこちでよく目にするきのこです。
夏を迎えつつあるこの時期、
まだまだ吸血昆虫は少ないのですが、
マダニが確認されはじめるので、
防虫対策は必要です。