梅雨がない北海道、と言えば、
この時期の旅行先としては魅力的かもしれませんが、
実際のところ、雨が少ないのは困ります。
そう、森がカラカラなんです。
6月中は雨らしい雨がほとんど降らず、
月末になって、多少の降雨があったものの、
基本的な雨量としては微々たるもので……。
個人的な経験値(多くの友人も同感)なのですが、
6月7月に雨がたくさん降るかどうかで、
秋のあのきのこの発生量に影響してくるんですよ。
秋の日本の代表的味覚でもある、
泣く子も黙る「ま」がつくきのこ……(笑)。
まあ、それはそれとして、
やはり、カラカラ状態で雨が降れば、
森がいきいきするんですよね。
降雨で成長スイッチがオンに入るのか、
きのこも多少は生えてくる感じがします。
きのこ、と言っても、
正確には、きのこの子実体のことですが、
一度地上に姿を現しはじめたら、
成長速度はけっこう早いんです。
夕方から朝にかけて伸びるケースが多く、
前日までまったく影も形もなかったのに、
朝起きたら大きなきのこが生えていた、
なんてことが珍しくありません。
ようやく降った雨に誘われて、
阿寒川沿いの森を訪ねてみると、ビンゴ!
支流の沢沿いの大木に、赤くて大きなきのこを発見!
(前日にはまったく気づきませんでした!)
マスタケ、です。
マスタケは、夏から秋にかけて、
広葉樹の生木の地際や枯木から発生します。
傘はほぼ半円形で、何枚も重なり合って発生。
経は10〜40cmくらい、幅は1〜2.5cmほど。
帯紅橙色〜朱紅色で、周縁部は色が淡く波打ちます。
傘の裏側は管孔で、類白色〜クリーム色。
肉はその名の通り、鱒色系。
実はほとんど同じに見える似たきのこがあるんです。
そのひとつ、アイカワタケは、広葉樹から発生し、
成長すると傘表面が粉っぽくなり、傘裏は黄色。
ミヤママスタケは、針葉樹から発生し、傘裏は黄色。
上記三種ともに、
若くて耳たぶくらいの柔らかさのとき、
食用にすることができます。
マスタケの英語名は「chiken of the wood」!
なんとなく鶏肉っぽい食感を楽しめますが、
生食すると、中毒します(これも三種共通)。
それにしても、
それまで何もなかった場所に、
いきなりきのこが生えてくる!
何という、神秘性(笑)。
きのこは面白いなあ……。