短いものの、とても活発だった夏が、
例年通りお盆過ぎに急速にその勢いを弱め、
加えて、待望の雨が森に潤いを与えた結果、
8月前半まで虫の息状態だったきのこの発生が、
ここにきて、急激に、活発化してきました。
北海道では、8月も後半になると、
例年であれば本格的なきのこ観察シーズンの到来。
発生数は夏の方が多く感じるのですが、
森へ行っても暑いしたくさんの虫に襲われるので、
集中力が続かず退散、ということに……。
夏のきのこ探しはつらいんです、はい。
暑さが底を見せ、秋の声を聞くと、
各地できのこ観察会が開催されますが、
開催者側の方々に少々考えていただきたいことが。
旧態依然とした観察会をぜひ改めていただきたく。
旧態依然のきのこ観察会とは、つまり、
どこぞのフィールドに大勢で集まり、
えいや〜、の掛け声でそこかしこに散り、
それぞれが目につくきのこを片っ端から採集し、
最終的に広げたブルーシートの上に「成果」を集め、
主催者側のきのこに詳しい人が、
名前とか食毒とかトリヴィアを教授していく、と。
こんなやり方では、きのこにも、環境にも、
良いわけありませんよね?
そもそも、きのこに興味があるのなら、
生きものとして、まず、尊重せねば。
きのこと、きのこが生えている場所を観察して、
はじめて、そのきのこのことがわかるはず。
観察会が終わって、
そこらに捨てられたきのこの残骸を見たら、
この人たち本当にきのこのことが好きなのか?
と疑問に思ってしまいます。
主催者の方々、ぜひ、ご一考くださいませ。
そんなきのこ観察会シーズン到来に怯えつつ(笑)、
いつもの森を散策していると、
大きなトドマツの根本に大きなハナビラタケを発見!
ハナビラタケは、夏から秋にかけて、
針葉樹の根本や切株などから発生。
徐々に材へと侵入して褐色ぐされを引き起こします。
経は、10〜30cmと大型で、
白色〜クリーム色のうねりくった花弁状裂片が、
無数に集まったようなかたまりです。
胞子をつくって落とす部分=子実層=は、
花びら状の枝の地面側だけに発達しますが、
実は、本質的な表裏の別はありません。
根本は、太く短くまれに長い柄になることも。
食。
さっぱりとした風味、歯切れの良さを、
生かして料理をするのがいいでしょう。
また、昨今では、お薬的な効能も見出され、
徐々に人気が高まっているようです。
それにしても、みなさま、ぜひぜひ、
採集されてブルーシートの上に並ぶきのこではなく、
そのフィールドで生きているきのこを、
じっくりと、観察、鑑賞しましょう。
きのこは、食料だと考える前に、
まず、生きものですから!