今年も阿寒湖への遠征を終えて、
東北地方の北部へとやってきました。
北海道の阿寒湖周辺と同様に、
紅葉の時期が遅れているし、やはり、
赤系の色があまり美しくはないようです。
そして、そして、例年に比べて、
くまさんの出没がかなり多いようなので、
白神山地のブナの森でも、奥入瀬渓流周辺の森でも、
鈴(放牧用のカウベル)とクマ撃退スプレーを持参。
最も効果があるくまさん対策は出会わないことです!
週末にかけて寒気がやってくるので、
気温が下がって、ところによっては降雪、
という天気予報だったので、
天候が厳しくなる前の貴重な晴れの日に、
白神山地の麓を目指しました。
林道が通行止めなので核心部には行けません。
緑葉が残りつつも全体的に赤茶色く色づくモミジ。
緑や薄緑の地衣類が印象的な模様を描くブナの幹。
歩きながら、ふと見上げると、
葉がすっかり落ちてしまったもの、
赤銅色の葉がまばらに残るもの、
まだまだ黄緑色の葉が生い茂っているものなど、
それぞれのブナがそれぞれの季節を生きているよう。
起伏の間のいたるところから、
ブナの森に浄化された清冽な水が流れをつくり、
重なる石の上には鮮やかな緑色のコケがびっしり。
ああ、森はいいなあ……。
自然の森、豊かな森の象徴と言えば、倒木です。
そこここにある倒木をじっくり見て回ると、ビンゴ!
かわいい、ナメコを発見!
ナメコは、秋に、広葉樹(主にブナ)の、
枯幹、切株、倒木から発生する、木材腐朽菌です。
幼菌は半球形で顕著な粘膜性の膜に包まれており、
傘が開くと破れ、傘の縁と柄の上部に残ります。
傘は径3〜8cm、中央部は茶褐色、周縁部は褐色。
古くなると粘液を失い、淡い色になっていきます。
ヒダは密集していて、初めは灰色でのち錆色に。
柄は長さ5cm前後で、ゼラチン様のツバを持ち、
ツバより上部は白色、下部は淡黄褐色〜褐色。
肉は初め淡黄色、のちに淡褐色に。
食。
日本を代表する食菌です。
説明する必要はありませんね(笑)。
それにしても、
ナメコの幼菌のかわいいこと。
丸っこくて、ぬるぬるしていて、
別の生きもののようにも見えます。
阿寒のマツを中心にした針広混交林もいいけど、
東北地方ならではのブナの森もたまりませんな。