不正解、食べられません!
スエヒロタケ食不適

夏シーズン、阿寒湖に滞在しているときは、
ほぼ毎日、森へ出かけて、きのこや粘菌を探しては、
写真を撮影しています。

とにかく、阿寒湖周辺の森が素晴らしいので、
きのこや粘菌やコケたちだけではなく、
森の雰囲気も一緒に撮影できたらなあ、と、
アタマの片隅で思いつつ、シャッターを切っています。

ですから、長い間、ずっと、
大自然の中できのこや粘菌の撮影するときには、
なるべく、人や人工的な構造物などが、
写り込まないように注意していました。

たまに、東京や各地の中核都市へ出かけるのですが、
大きな街は人類の叡智を駆使してつくられているので、
けっこう緑が多いんですよね。

緑あるところに、隠花植物あり!

と、いうことで、
大都会でも街路樹の周りや植え込みの地面を、
危ない人だとみなされて通報されるリスクを多少犯し、
じっくりと観察してみると、
地衣類やコケならほぼ100%、
きのこもおそらくその半分くらいの確率で、
見つかるんです、これが。

大自然には大自然の美しさがあるように、
大都会にも大都会の美しさがあるわけで、
都会できのこを見つけたら、
都会風に撮るのも面白い!と思ったんです。

北海道へ渡る前、夏の初めに、
所用で出かけた東京ミッドタウンなる場所で、
わが「きのこ目」はすかさず、
きのこを見つけ出したのでありました。

その名も、スエヒロタケは、
春から秋にかけて、枯木や用材などから、
ごくごく普通に発生します。
日本で見つけやすいきのこベスト10に、
ランクインしていること間違いなしです。

傘は経1〜3cm、扇形〜円形で、
縁が多少ギザギザに裂けています。
表面は白〜灰色、または灰褐色。
粗毛が密集して生えています。

傘裏のヒダは白、灰色、淡紫褐色で、
深く切り込んだようにくっきり。

柄はなく、傘の横、または背面の一部で、
基物に付着しています。

食不適。

触ると革質でけっこう固く、
食べる気にはとうていなれません。

人から発生したことがある、とのことなので、
あんまり近づいて胞子を吸い込もうなら、
肺の中で菌糸が成長しちゃうかも!
と、いうのは、まあ、冗談です。
もし、そうだったら、
ぼくの肺は菌だらけってことに……(笑)。

都会だろうが、大自然だろうが、
とにかく、有機物があるところなら、
我らがきのこなど菌類の発生は期待できます。
そのたくましさに、乾杯!

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。