冬は、多くのきのこファンにとって、
我慢、我慢、の季節ではないかと。
ただでさえ、寒かったり、雪が降ったりして、
外へ出る気力が弱くなっているところに、
ピチピチしたきのこらしいきのこと出会える確率も、
思いっきり低いですからねえ。
ぼくの菌友(きのこファンの友人)たちは、
スーパーマーケットなどへ買物に行ったついでに、
人工栽培されている食用きのこを見るとか、
春〜秋のきのこシーズンに撮影した写真を見るとか、
あるいは、お金に余裕がある人は、
季節が逆の南半球へ出かける、という荒業も。
ぼくは、きのこと同じくらいに、
森や森の雰囲気が好きなので、
冬でも頻繁に森へと出かけます。
11月下旬。
白神山地の世界遺産地域の周辺区域で、
ブナを主体とする天然林が広がる秋田県の森へ。
本格的な降雪が例年よりも遅れている、
という、それまでの状況が嘘のように、
朝から本格的な雪。
一応、遊歩道はあるものの、
時期的にはほとんど訪れる人がなく、
大量の落葉に埋もれつつあるところに雪が積もり、
道なき森とほとんど変わらない状態。
フリースの上にレインウエアを着込み、足元は長靴。
くまさん対策の熊鈴と熊よけスプレーも、一応持参。
しばらく歩くと、大きなブナの倒木に、
雪の白とはまた別の、真っ白いきのこを発見!
そのきのこ、シロハカワラタケは、
ブナなど広葉樹の枯木や倒木に、
重なり合ってたくさん発生します。
そう、その名のとおり、まるで瓦みたい。
多年生なので、1年中見ることができます。
傘は扇形〜半円形で、
幅3.5〜6cm、厚さは1〜3mm。
表面は白く、細かい密毛が生え、
絹を思わせる美しい光沢があります。
傘の裏側はヒダではなく管孔ですが、
縁部以外では、孔壁が伸びて歯牙状に。
食不適。
まるで革のような強靭な肉質なので、
まあ、食用には向かないでしょう。
傘の両面が真っ白なカワラタケに似たきのこを、
シロハカワラタケと呼ぶわけですが、
ハカワラタケに含めてしまう、という見解も。
ちなみに。
遊歩道がわからないような森を歩いて、
迷子にならないのか、と心配する人が、
もしかしたらいるかもしれませんね。
種明かしをしますと、
アップルウオッチなる時計が、
GPSを駆使して我が愛車の位置を覚えているので、
携帯電話の電波が届かない場所でも、
スイッチひとつ押せば、
どの方角のどのくらいの距離に車があるか、
一目瞭然なのです。
文明の利器はすげえな。