ひと言で「森」と言っても、
思い浮かべるイメージは人それぞれかと。
おそらく、共通しているのは、
木がたくさん生えていることでしょうか(笑)。
「森」という漢字にしても、
「木」が三つも使われているわけで。
森に関して言うならば、今の日本では、
人の手がまったく入ってない手つかずの原生林は、
世界自然遺産に指定されている、
屋久島、白神山地、知床などの他には、
あまり見られなくなってます。
しかし、日本は国土の3分の2が森林。
各地で木々と親しむことができると思います。
北海道は日本でいちばん森林の割合が多く、
一方、人工林の割合が少ないので、
森好きな人は、ぜひ、北海道へお越しあれ。
そんな北海道で、
いちばん多く見られる樹種はトドマツです。
(日本では北海道以外で見ることはできません!)
天然林、人工林をあわせると道内総蓄積の4分の1、
針葉樹に限れば、ほぼ半分を占めています。
もちろん、阿寒湖周辺の森で、
いちばん目に入る樹木もトドマツです。
トドマツはマツ科モミ属なのですが、
今回ご紹介するアカモミタケは、
その名前のとおり、主にモミ属の樹下に発生します。
見られるのは、夏から秋にかけて。
傘は経5〜15cm、表面は淡橙黄色、
やや濃い色の環紋があり、湿時には粘性があります。
傘の裏側のヒダは幅が狭く密で、
色は傘よりもさらに濃い、美しさすら感じる、
けっこう鮮やかなオレンジ色です。
柄は長さ3〜10cm、傘とほぼ同色で、
クレーター状の浅いくぼみがあります。
ヒダなどから橙朱色の乳液をやや多量に分泌します。
食。
こくのある旨味があり、和風、洋風など、
じっくり煮込む料理に合うのだとか。
ちなみに、トドマツと同じく、
北海道でよく見られる樹種である、
エゾマツ(クロエゾマツ、アカエゾマツ)は、
マツ科のトウヒ属です。
トドマツとエゾマツの簡単な見分け方は、
トドマツは樹皮が白っぽくて地衣類がたくさん付着、
エゾマツはやや赤っぽい樹皮がウロコ状、
という感じです。
森を歩いているとき、
マツの葉っぱをちょっとだけちぎって匂いをかぐと、
そりゃあ爽やかな森の香りがします。
トドマツとエゾマツではまったく香りが異なるんです。
これまた、北海道へ来たら、ご確認あれ。