エノキタケは、面白いきのこです。
だいたい、お店で売っている人工栽培品にしても、
真っ白けで、ひょろひょろしてて、束になっていて、
傘や柄はあるけど、きのこらしい姿ではありません。
で、その、エノキタケなんですけど、
天然ものと人工栽培品の姿がまったく違うんです。
今回ご紹介する写真をご覧いただけば、
一目瞭然ではないかと思います。
そう、天然のエノキタケは、何というか、
いかにもきのこという形をしています。
さらには、白くありません。
人工栽培品のエノキタケを見慣れている人は、
天然のエノキタケを見つけても気づかないかも!
今回の写真は、12月に群馬県で撮影しました。
実は、エノキタケって、主には冬のきのこなんです。
晩秋から春にかけて、
種々の広葉樹の枯木や切株などから多数発生します。
雪が積もったその下から顔を出すこともあるので、
地方によっては「ユキノシタ」なんて呼ばれることも。
傘は経3〜8cm、表面は粘性が強く、
黄褐色〜茶褐色、周縁は淡色です。
はじめはピンの頭のような姿で、
成長するにつれ平開し、やがて、皿状に。
ヒダは白〜淡クリーム色で、やや間隔が広い感じ。
柄は高さ2〜9cm、やや軟骨質で、
短毛にびっしりと覆われたビロード状です。
表面は黄褐色〜暗褐色で、上部は淡色。
食。
日本を代表する、と言ってもいい、
超優秀な食菌ですね。
そして、野生のエノキタケは、
人工栽培ものとは姿が違うだけではなく、
お味も数段上でございます。
ちなみに、
人工栽培品のエノキタケが白いのは、
暗所で、もやしのようにつくられているから。
最近では、ほだ木栽培よりも、
おがくずによる瓶栽培が盛んなようです。
晩秋に阿寒湖から群馬県に戻って、
今は亡き柴犬はなさんと冬に散歩へ出かけると、
あちこちでエノキタケが生えていたなあ……。