おしい!食べられるんです!
クリタケ食

各地から季節の頼りが届くとき、
例年と異なることを告げる言葉を加えることが、
このところ、増えているような気がします。

気温が過去最高、桜の開花が過去最速、
などなど、おそらく、その主な原因は、
地球温暖化による気温上昇ですな。

気温上昇は全地球的気候変動の要因になりますし、
そんな気候変動が、ある一点を超えてしまうと、
現状には戻れなくなり、そうなると、
今までとは異なる気候の世界が訪れることに。

人類はもちろん、地球上の他の生物にも、
生死に関わる深刻な影響を与えることになりますね。
国家も企業も我々一人ひとりでも、できることから、
地球温暖化防止策に取り組むことが大切ですが、
もうすでにけっこうヤバいって話ですぜ、
奥さん、旦那さん、嬢ちゃん、坊っちゃん……。

早急に対策をしなければなりませんが、
一方で、地球温暖化の足音が聞こえることで、
ちらっといいことがあったりもします。
冬が暖かくなる、ということは、他の季節が長くなる。
ってことは、きのこが見られる時期が延びる……。

11月の半ばに、秋田県と青森県の県境近く、
白神山地の周縁部のブナの森へ出かけたのですが、
この冬は、例年と比較しても積雪が少なく、
ブナの森の底に厚く積もった落葉が見えています。
スノーシューも長靴も持参しましたがまったく必要なく、
普通のトレッキングシューズで充分に歩けました。

遊歩道を森の奥へと進むと、
遠くからでも目立つトチノキの巨木に目が釘付け。
近寄ると、根本に地味な色のきのこを発見!

そのきのこ、クリタケは、木材腐朽菌であり、
秋に、広葉樹の枯幹、倒木、切株から発生します。

傘は経3〜8cm、
表面は湿時わずかに粘性があり、煉瓦色。
周縁部は淡色で初めは繊維状の白い薄膜が付着。
最初はまんじゅう形で、やがてほぼ平らに開きます。

ヒダは間隔が密で、
初め黄白色で、のちに灰紫色〜チョコレート色。

柄は長さ5〜10cm。
上部は白色〜黄白色で下部は錆褐色。

食。

癖のない風味でいい出汁が出ます。
また、柄の肉は固く締まって歯切れが素晴らしい。
きのこそのものを味わうよりも、
料理全体にその旨味を生かすのが良いとか。
まとまって生えるので、収穫量も期待できます。

それにしても、地球温暖化には恩恵がある、
みたいな書き方をしてしまいましたが、
気温が上昇すれば大きな気候変動の要因になり、
引き起こされる自然災害が増えることになったら、
人間だけではなく地球生物の存亡に関わることも……。
やはり、きのこ観察より、
地球温暖化対策の方が重要ですな、はい。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。