まあ、個人的な意見なんですけど、
マクキヌガサタケはちょっと悲しいきのこなんです。
やや南方系のきのこで、竹林で見られる、
キヌガサタケというきのこがいます。
円錐形の頭部と円筒形の柄からなるきのこの本体に、
まるで純白のレースのマントをまとったような、
そりゃあ優雅な姿をしているので、
別名「きのこの女王」などと呼ばれたりもします。
その姿は一見の価値あり!なので、
ぜひぜひおググりあそばせ。
で、今回ご紹介するマクキヌガサタケは、
キヌガサタケとほぼ同じ姿をしているんです。
しか〜し……。
山と溪谷社『増補改訂新版日本のきのこ』によれば、
キヌガサタケによく似るが、
菌網(マントのこと)はより太く、
長さも全長の約半分もしくはそれより短めで、
下端も整わず、網目も粗雑で、
全体の外形にキヌガサタケのような繊細さを欠く。
と、散々な書かれようです(笑)。
実は、阿寒湖周辺はもちろん、
北海道には竹が生えていないので、
キヌガサタケは見られないんです。
よくよく観察すれば、マクキヌガサタケだって、
造形的で美しいきのこだと強く主張したいです、はい。
さて。
そんなマクキヌガサタケは、夏から秋にかけて、
各種林地や庭園や芝生などから発生します。
幼菌は白いゼリー状の卵形で、
それを突き破るように、マントを開きつつ、
きのこがぐんぐん伸びてきます。
その成長速度は毎分2〜4cmと非常に早く、
2〜3時間!で、高さ15〜18cmに達します。
キヌガサタケもマクキヌガサタケも、頭部に、
胞子を含んだ悪臭を発する粘液(グレバ)が付着。
匂いで昆虫を引き寄せて胞子を拡散させる、
という戦略をとっているきのこなので、
女王だろうが繊細さを欠こうが、非常に臭いです。
柄は白色の円筒形で中空、
表面に小さな孔がたくさん空いています。
食。
臭い臭いグレバを洗い流して、
主に柄の部分を食用とします。
コクのあるうまみと、
しゃりしゃりした食感が楽しめる、
とのことなのですが、
ぼくはグレバの匂いが気になりすぎて、
食べたことはありません。
あ!
いま、ふと、思ったのですが、
きのこを擬人化してアイドルをつくる、
というプロジェクトを考えるならば、
マクキヌガサタケはピッタリではないかと。
そう、柄の半分弱を覆うマントですが、
中途半端な長さ、などと考えるのではなく、
これぞアイドルの王道ミニスカートだと思えば、
ほら、マクキヌガサタケが、
かわいいアイドルに早変わり……(笑)。
キヌガサタケを擬人化したフィギュアは、
かつて見たことありますが、
マクキヌガサタケもいかがでしょう?